望遠鏡の主鏡を洗浄

望遠鏡のメンテナンスの話です。反射望遠鏡の鏡(主鏡)を洗いました。梅雨時ですし、メンテナンスには良い機会でしょう。
でも、鏡の洗浄をやりたくない日、避けたい日もあります。

  • 暑い日…鏡に汗が垂れる可能性がある。(掃除しているはずなのに汚れてしまうのです。)
  • 寒い日…鏡がなかなか乾かない。
  • 雨の日…庭で広げるので、まずダメです。
  • 晴れの日…庭で広げるので、危険です。直射日光が鏡に当たると、例えば軒先あたりに焦点を結ぶと、火災が発生するかも…。

…というわけで、いい感じの曇りになりました。でも実はこの前に数日間あれこれ検討したり物を準備したり、足踏みしたりもして、ようやく今日、実行できました。以下、おもに箇条書きで記録しておきます。


望遠鏡は、Ninja320。古い物ですが、画期的な分割鏡筒の32cm反射望遠鏡です。

◆準備編。洗浄する作業場所の準備です。

  • 洗浄に使用するシンクを2回洗う。
  • お風呂マットをシンクに入るようにカット。
  • マットの上にさらにすのこを敷く。(この上に鏡を置く。)
  • 水をためるためのゴムフタをセット。
  • 水を満たす。(当然、クッションとすのこは浮く。)

◆鏡を取り外す。庭(玄関前)にて。

  • 丸椅子にクッションを置き、ここに鏡筒を逆さに、かぶせるように置く。これは、万が一、鏡が落下しても、クッションに当たって止まるように、との安全策です。(筒の後ろ側へ、セルごと鏡を外すわけです。)

  • 鏡筒底面のセルを外す。まず、バランスウェイトを外す(マイナスネジ2本)。次に、セル自体を外す(マイナスネジ(引きネジ)3本)。慎重に…

  • セルから主鏡を外す。3ヵ所の固定金具(ツメ)を外す(マイナスネジ3本)

◆洗浄(前半)

  • 鏡をシンクまで運ぶ(慎重に…)
  • シンクに沈める。
  • 中性洗剤を投入。(適量…と言う名のテキトーw)
  • 15分ほど漬け置く。

----- 【休憩】 -----
この間、鏡を外したセルの清掃、ネジの増し締めなど。雨がポツポツ落ちて来て、少々あせったりしました…。

◆洗浄(後半)~乾燥

  • 水を抜く。
  • 流水(水道水)で鏡を洗う。
  • 目に見えるゴミや汚れは、脱脂綿を洗剤に浸し、軽く軽く、拭くようにこする。力を入れず、円を描くように動かす。(これで取れない汚れはあきらめる。)
  • もう一度、流水で洗う。
  • 水道水を精製水(薬局で購入したもの)で洗い流す。これを2回。
  • 一度、鏡を持ち上げ、タオルをシンクのタテ面から底面にかけて敷き、鏡を斜めに立てかける。(下はお風呂マットとスノコを敷いてあるので、滑りづらい。)
  • ドライヤーの送風で風を当てて乾燥させる。(15分くらい)


◆鏡の取付(鏡筒は先ほどのまま置いてある。)

  • セルに主鏡を取付。セルに鏡を置き、ツメをネジ止めする。
  • セルを鏡筒底面に取り付ける。セル(鏡下向き)を持ち、鏡筒に斜めに差し入れ、引きネジで固定する。
  • バランスウェイトを固定する。
  • 鏡筒を戻す。鏡を下にして、安定する向きに戻す。これで一安心。


いや、それにしても、雨が降らなくて良かったです。
洗浄の結果ですが、鏡は、そこそこきれいになったけど、落ちない汚れも多数残っていますね。古い物だし、まぁ、しかたないかな…。

落ちなかった汚れ…というより、部分的なサビのような気がします。(○はセンターマーク)

…というわけで、思いついてからいろいろ準備をし、1ヶ月ほどで実行できました。