今夜、グレージング観測へ

今夜、月の背後に恒星が隠される掩蔽(えんぺい)…(または星食)が予報されています。隠される星は、へびつかい座θという3等星で、今年掩蔽される星では明るい方です。ところが今夜はちょっと特殊で、国内で掩蔽されるのが見えるエリアと見えないエリアがあります。その境界(限界線)では、月のふちギリギリを恒星がかすめるように通過します。すると、うまく行けば月のふちの山や谷を恒星が何回か隠れたり出たりするのが見られるのです。このような現象を、グレージング(接食ともいう)といいます。
今回のグレージング、限界線がわが家から5km程度のところを通るので、仲間に呼びかけて複数のポイントで観測することになりました。私は地元なので、とりまとめ役を買って出て、何度か観測ポイントの下見に行き、目的の恒星が見えるかどうか確認したり、道順を確認したりしました。

あ、観測は古典的な目耳法*1で行います。ビデオの方が正確なんですけどね…(ビデオ機材がない…)。

…で、今日になってやっと(当日!)、自分の観測機材のチェックをしました。庭に機材をあれこれ出して、ホコリを拭いたり、動作確認したりします。でもこれ、目の前が工事中だとやりづらいんですよ…。やっと工事が終わったからこそ、誰にも遠慮なくできるんです。
そうしたら、久しぶりに出す機材の問題点がボロボロ出てきました。やれやれ、何年ぶりに使う機材だろう?せっかくなので、覚え書きとして記録しておきます。

○望遠鏡…架台(Vixen GP赤道儀+三脚)

  • モータードライブの電池、液漏れ→電池ボックスがひどい汚れ。一応、同型のボックスはある

○望遠鏡…鏡筒

  • 9cmF11屈折を準備してバランスとったりしたけど、アイピースを決める段になって、天頂プリズムが出てこない始末…。
  • そこで、15cmF5反射に変更しました。最初、バランスが取れず、バランスウェイトを重い方に変更しました。

○時計(音声時計「トークライナー」)

  • ボタンを押すと現在時刻をしゃべってくれる機能が必要で買いましたが、肝心の音声が変です。伸びたテープみたいに、遅くて低いのです。電池交換してみましたが、今度は全くしゃべらなくなりました。リセットしても復活せず。どうやら寿命のようです。

○ラジオ(時報を受信するため)

  • まず、ボリュームのガリがひどい…。
  • 昔使っていたJJYは今やなく、近くの中国の時報を使おうと思いましたけど、全然入りません。早々にあきらめました。

 ※ → 時報スマホの117に変更

○レコーダー

  • レコーダーが出てこないので、使わなくなったタブレット(d-Tab…家庭内Wifi専用にしているもの)を使用することにします。

さて…これで何とかなるかな?あとはお天気ですが、今は良いけれど実は余談を許さない予報。晴れるかどうかは五分五分じゃないかと思っています。
01時に集合し、02時には観測スタンバイ。現象は02:27頃という予報です。どうなる事やら…?

【結果は、明日の更新で】

*1:長いこと「めみみほう」と思っていました。言われてみると「めみみほう」だと湯桶読みです。 【目耳法(もくじほう)の用語解説 (コトバンクより) (名詞) 耳で時計の秒音を聞き、眼である現象を観測しながら、その現象が起こる瞬間の時刻を測定する方法。子午儀で星の子午線経過を観測する場合などに用いる。】 グレージングも含む掩蔽観測では、星が隠れたり出たりする瞬間をなるべく正確に測定したいわけです。現在では、ビデオに星が消える瞬間と正確な時計を録画し、あとから正確な時刻の数値を測定するのが一般的です。でも、「自分の目で見てみたい」のと、「暗い星と時刻を一緒に写しこめるビデオ機材がない」ため、古典的な目耳法で観測しました。 具体的には、録音機を現象予報時刻の前から録音状態にしておき、時報を流し続けます。現象の瞬間、潜入なら「はっ!」出現なら「でっ!」等の声を録音し、あとで再生して測定値とする、というのが目耳法です。 でも実際の観測の場では耳を使っていません。目で見て言葉を発して録音して、バックに流れている時報の音と比較して時刻を測定するわけです。想像ですが、この言葉(eye and ear method)ができた頃には、まだ録音する技術がなくて「いくつめの鐘と鐘の間だから○○と数値を決定し、記録用紙に書いていた」のではないかと思います。