今夜も寒いです。
広角端。写野内に明るい星がなくなってしまいました。
でも月のすぐ右下、しし座のレグルスがあります。レグルスは1等星ですが、全天の1等星の中でも1番暗い星です。(微妙な立ち位置ですね…)また、反対側、左上にあるのは、しし座η、4等星です。
x50ズーム。右側、欠けてきて、クレーター列が見えています。
そもそも月が大きいので「観測お休み期間」なんですけど、それに加えて、今夜は月さえ見えない曇り空で、安心して(?)酒飲んでます。そして、さっさと寝ます。おやすみなさい。
あ、明日の朝、雪が降ってないと良いなぁ…。
いま、太陽に非常に接近する軌道を持った彗星が来ています。C/2024G3 アトラス彗星と言いまして、昨年5月に発見された彗星です。この彗星、『太陽にたいへん近づくのですごく明るくなる可能性がある。でも小さいようなので近日点前に溶けてしまうだろう。』というのが大方の予想でした。ところが、この13日の近日点通過を前に、まだ溶けないで明るくなってきているのです。
残念ながら日本からの観測条件が悪く、これまたほとんど見えない…と言われていたのですが、ここ数日、日本国内からも「見えた、写せた」という情報が上がっていました。
というわけで、今朝、近所の田んぼで見てきました。明け方…というより朝の超低空なので、家ではダメ、南東の空がすごく開けているところじゃないと見えません。
たまたま、太陽系の1番内側の惑星「水星」が目印になります。実はこの水星も、明け方か夕方の超低空にしか見えない星なのですが、彗星は水星よりもさらに低いところに出てくる予報です。
こんな感じでした。APS-Cに70mmレンズ(軽い望遠)で固定撮影。
星が小さくてわからないので、案内図を作りました。右端が水星、四角い枠内に彗星が…あるはずです。
その四角い枠内を拡大して画像処理(無理矢理な強調処理)したものです。なんとかそれらしいものが写ったのですが、見えますか?右図に「ここですよ」という線を書いておきました。いやー、微妙な写り方ですねぇ。
今回の自分のテーマ、『眼視観測で、恒星と比較して光度目測する』でしたので、正直、写真はオマケです。肝心の眼視観測ですけど、いろいろすったもんだがありましたけど、なんとかできました。
記録用にカメラを使っていましたが、これがバッテリー切れ…。オートブラケットが1コマかバッテリーアウトです。うわー、この時間のない時に…まぁ、何コマか撮れれば良いか…。と半ばあきらめ。カメラにかまけていると肝心の眼視観測ができなくなります。
さて、彗星の見える位置、これが太陽に近い(見かけ上も、実際も)ものですから、朝、もうすっかり明るくなった頃になってようやく上ってくるわけです。双眼鏡を使って彗星を見つけ、「彗星…見えた!」と喜んで尾などの様子を観察していました。双眼鏡では朝の光に負けずに輝く頭部と、しゅっとした尾を見ることができました。
そうこうするうちに、比較星として使う予定だった恒星が、朝の光でどんどん見えなくなってしまいます。肉眼で見えなくても双眼鏡を使えば見えるはずなのですが、肉眼で見えないってことは、双眼鏡の視野に導入できない(できるけど時間がかかる)わけなんです。さて、困った。
幸い、こと座ベガ、さそり座アンタレス、こういった1等星は明るいのでまだ見えています。ありがたく、この2星の近所の恒星を使うことにしました。
だけど…さそり座δは変光星だし、こと座βやγもそうです。あまり正確には測れません。それでも何組か比例配分で目測をして記録しました。けっこうなドタバタでした。
この他にも、散歩している人とワンちゃんに怪訝そうに見られたり…(笑)、まぁいろいろです。
帰宅してから大気補正などした結果、今朝のC/2024G3、マイナス等級になっていました。あの超低空でも見えるんだから、まぁそんな感じでしょう。
さてこれから近日点通過…果たしてこの彗星、生き残ることができるでしょうか?太陽観測機SOHOの撮る画像で見守って行きたいと思います。
頑張れ!じーさん!(彗星の記号がG3なので「じーさん」と呼んでいます w)