NHKでも「神回」なんて言うんだ…

自分はもう年寄りなので、あんまり若者言葉(新しくできた言葉)って使わないようにしています。未だに「ら抜き表現」に違和感を憶えるほど、言葉に関しては保守的だなぁ、と自分でも思っています。
マスコミ関係ではNHKさんあたりが一番の保守仲間じゃないかと思っていたんですけど…今日午前中の番組、新・プロジェクトXの番宣なんですけど、新聞のテレビ欄にも出ていたし、番組内でも使っていたんですよ。「神回」って。
まぁ短い言葉(文字にしてわずか2文字)で伝わる利便性が重視されたんだろうなとは思いますけど、早い話、私は好きな表現じゃないです。
「神」という単語に対するニュアンスって、人によってずいぶん違うと思うのです。安易に使うのはいかがなものか…と、しばらく前から思っていました。日本は多神教の国、八百万の神と言われるように、そこら中に神様がいるという考えです。そのせいか、神という言葉、言ってみれば安売り状態です。でも自分たちから「神○○」って言ってしまうのは、なんか違うんじゃないかなぁ?それ、ヨイショを込めて他人から言われるものじゃないのかな?

NHKさんと言えば、最近はおそらく自局製作の番組(外注ではないだろうと思われる)でも、私が気にしている表現を平気で使うようになっています。それは、「○○だそう」で言い切る語尾。これ本来は「○○だそうです」という使い方だと思うのですが、最近は語尾を省略する言い方をよく聞きます。どうも不自然に感じてしまうのは、単に慣れていないせいなんでしょうか?
まぁ「○○とのこと」というのと同じだと思えば、こちらは聞き慣れている名詞止めのせいか「○○とのことです」と言わなくてもあまり変に感じないのですけど…。

今年に入ってのこと。よくニュースなどでインタビューに答えた人の言葉を文字にして画面下部に表示しますけど、あーこれ間違いだなぁ、っていうのがありました。よくある「延々と」を「永遠と」と言ってしまうものです。たしか能登地震で地元の人が「片付けは延々つづくから…」と言っていたものを、画面では「永遠つづく」となっていました。番組の最後に訂正があったかどうかまでは確認していませんが、これは間違いの範疇だと思います。

言葉は変化していくもので、場所や時代によって変わっていく、それは重々承知の上です。でも、あんまり早く壊れて行く様子は、見たくないなぁ…と思うのです。


【ついでの話題】
SNSで見かけたのですが…「ヤバい」「エモい」、これだけでほとんどの感情が表現できる!すげぇ!…というような書き込みがありました。たぶん、だいぶ若い方だと思うんですけど。
若い皆さん、逆に考えて欲しいです。同じような感情・心境でも、いくつもの多様な表現で語れるように、いろんな言葉を、豊かな表現を、ぜひ身につけてください。言葉って、伝わる人だけに伝われば良い…ってだけじゃないんです。言葉を大事にしつつ、楽しみつつ、年月を重ねていって欲しいな、って思います。