よく言いますよね、「彗星のように現れた」「彗星のごとく」のような言い方。
『天界は完璧にできていて永久不変の神の世界である』という前提があり、それを破るように出現するのが彗星なのですが、昔の人はそれこそ天変地異だったり、王様の交代だったり、そんな事を連想していたわけです。彗星は、どちらかというと忌み嫌われる存在だったようです。
「彗星のように」とは、現在はスポーツなどでもよく使われますが、「期待の新人」というよりは「期待していなかった新人が大活躍しそう」かな?そんな、比較的良い方向に使われる「びっくりした!」というイメージのようです。
天文屋さんが「彗星のようだ」というと、ぼんやりした、つかみどころのない感じ、それでいてわずかに集光している、といったところでしょうか?(DC3くらい?)
いやまてよ、「散々期待を持たされた挙げ句、ちっとも期待通りに(明るく)ならない」っていうのもありだなぁ。で、それを何回か経験すると、突然の大当たりが出てくる…っていう感じ。あるいは、「期待し過ぎて騒ぐとダメになる」っていうのもずいぶん経験して来たなぁ…。
一つ、天文屋として疑問に思うことがあるんですけど、例えばスポーツ評論家の皆さん、よく「彗星のように」っていう表現を使う皆さんって、本物の彗星を見たことがあるのかなぁ???
見てガッカリした経験があれば、この表現は使わないと思うし、見てびっくりした経験があるなら、それが何彗星だったか知りたいなぁ。
ここ数十年だと、ウェスト彗星、百武彗星、ヘール・ボップ彗星、マックノート彗星、このあたりのどれかだと思います。あぁ、思い出したら、オラ何だかワクワクしてきたぞ…!今年の秋!(これ以上書かない…)