「ちょい星見用」望遠鏡、いろいろ検討して改造中です。といっても手作りってわけではなく、既製品を組み合わせて使いやすい物を作ろう、という訳です。
今年の頭頃から、ビクセンR-200SS(20cm反射)の鏡筒(だいぶ前に落札して死蔵していたもの)を使って、「ちょい星見用」望遠鏡を試しています。
架台についていくつか試してみて、これで行こうかな、とビクセンのHF2経緯台にたどり着きました。ところが、ダメダメなポイントがあります。
同経緯台はフォーク式と呼ばれる2本のアームで鏡筒の両側を支える形式です。このアーム間にあるプレート(上の画像の黒いパーツ、前から見ると横長の凹型)に、ブランコに乗るような形でさまざまな筒を使えるようになっています。…ということは、逆に言えば自分の持っている鏡筒に合うとは限らないのです。20cm鏡筒を載せようと思うと、高さ(=凹の深さ)が不足なのです。
このままの状態で深く考えずに、夜、組み立てて使ったことがあるのですが、低空に向けている時はなんとかバランスが取れているのです。ところが、高い方向に向けるとお尻が重くなって、上を向いてしまうのです。真上を向いて止まる…ならまだ良いのですが、そのままそっくり返って転倒する危険すらありました。危ない、危ない…。
特に、アイピース(いわゆる接眼レンズのことです)を交換する時が危険。最近のアイピース、高性能を追求した結果、多数のガラスを組み合わせていて、かなり大きくて重いのです。(カメラのレンズを連想していただくと似ています) 大きくて重いアイピースを取り付けた状態でバランスを取っていますので、アイピースを交換のために抜いた瞬間、いきなり前が軽くなってしまい、天を仰ぐ事になるのです。
それ以前に、この架台に20cmを載せようというのはけっこうな冒険。ほぼ大きい方の限界だったりします。でも現在の市販の(流行っている)経緯台は、片持ちフォークが主流。片持ちを2種類試しましたけど、明らかに強度不足。鏡筒が大きくなると、やはり2本のアームで安定して支える形式でないと安定しません。
強度の他にもう1つポイントがあって、鏡筒を架台に取り付けるプレートの向きです。片持ちフォークのプレート取り付け位置は、垂直面になります。これは、取り付けの最中に落下するリスクがあります。6cmや8cmの筒ならともかく、20cmだと取り付け中に保持しているだけでもけっこうな筋力を要します。この対策で「L字プレート」を試用してみましたが、支点からプレートまでの距離が長いため、振動が大きく残ってしまい…ダメです。
ちょっと望遠鏡に詳しい人なら、ドブソニアンにすれば良いじゃん…と言うでしょう。でも、ちょい星見とは言いながら、実は低空の彗星観測を目指しています。そのために移動しやすいお手軽望遠鏡を計画しているわけです。ところが、ドブソニアンだと低空が見づらいんですよ…。アイピース位置が低くなり、まるで腕立て伏せしながらのぞくような感じになってしまいます。
どうにかHF2経緯台で20cmを使えるようにしたい、と、ネットで検索しまくって見つけたのが、サイド延長プレート。望遠鏡ショップ「アイベル」のオリジナル製品です。元々のサイドプレートは高さ40mmですが、この延長プレートは高さ90mmです。器用な人なら自作しちゃうんだろうな…と思いながら、2枚一組8,000円のプレートを、器用じゃないので購入することにしました。在庫がなくて、しばらく待たされましたけど、先日、無事に納品。早速、プレートのサイド部分を交換してみました。
以下は、望遠鏡(20cm)を載せてみた画像です。赤い線は鏡筒のセンター。青い線は垂直回転軸。鏡筒を水平に向けると、この2本の線は一致しないといけないのです。
ここまで何とかできました。次に晴れるのが楽しみです。