望遠鏡設置スペースを作ったよ!

天文好きな人みんなが願う夢。それは、「自宅に天文台を持ちたい」って事です。経済的な障壁はもとより、立地条件やら何やらで、実現している人は極めて少ないのが実際のところです。


まぁ、天文台とまでは行かなくても、自宅の庭で星見ができるだけでも充分な贅沢というものです。庭で天の川が見える…って、天文マニアにとってはかなり贅沢な部類に入ります。(と、自己満足の材料ですけど…。)せっかくなのでこの好条件をさらに良くし、天文台(又は観測室)建築への足がかりにすべく、この度、ようやく動き出しました。


…といってもまぁ今回は、望遠鏡設置のための足元整備。望遠鏡ってけっこう重い物ですから、観測しているうちに地面にめりこんで来たりして、セッティング精度が下がってきます。さらに年を取ると、重い機材を出すのがだんだん面倒になり、観測機会が減ってきます。少しでも望遠鏡の稼働率を上げるために、専用観測スペースを作るのです!
簡単に言えば、「三脚設置のためにブロックを3個設置して、その上に赤道儀を置きっぱなしにする」のが今回のテーマです。望遠鏡といっても、筒(鏡筒)の部分は、雨に濡らしたくないし、高いので、観測の度に出し入れします。庭に置きっぱなしにするのはその下の重い架台部分。脚部を含む「赤道儀」という機械部分です。
実はこの部分が充分重くないと、精度の良い観測や撮影ができません。例えば風が吹いたときに揺れるか揺れないか…を考えていただけるとわかると思います。大きな口径の筒になればなるほど、大きくて重い赤道儀が必要になってくるのです。


設置予定場所


今回の工事は実にシンプル。工事と呼ぶのも恥ずかしいくらいです。


A.地面の整備


1.地面に、1メートル×1メートルの四角を書きます。中を平らにするために、少しだけ掘ります。いつも星見をしている場所で、おおよその南北方向はわかりますので、それに沿って掘りました。

…とはいえ、元々砕石が入っているし、草の根っこが残っていたりするので、ある程度の時間はかかります。
四角い穴…そういえばアリゾナの隕石孔「バリンジャー・クレーター」も、全体的な形は四角いです。


2.砂(川砂16kg)を一袋、中に満たして、なるべく平らにならします。

平ら…は、まぁ、テキトーなレベルです(笑)。


3.砂の上に、石の板(30cm×30cm)を並べます。

どーせ大した精度はないので、これまたテキトー(笑)。置いただけですので、撤去も簡単。とりあえず一冬で撤去しようかと思っています。来年は反省を踏まえてもっと良い物を…と。


…以上(笑)。これで終わり(笑)。


ちなみに石の板はプレストーンという商品名。ブロックのような、石の集成材といった感じ。30cm×30cmで厚みは約28mm。1枚6kgを、3枚×3列=9枚使いました。(予備に+1枚準備しています。)砂1袋とプレストーン10枚で、たったの\2,645。

実は、三脚設置のためには最低限の3カ所でも良かったのですけどね…。


使った道具はこれだけ。100均で買った「イカ型レーキ」。あとは軍手くらいです。


こんな感じになりました!

ピラー仕様。赤道儀ビクセンのGP-D。だいぶ前に落札した物です。


B.バリケード作り


さて、このままでは車がバックした時に、うっかり赤道儀を倒してしまう危険性があります。そこで、バリケードを設置しました。バリケードと言うと、学生運動の世代の方にはまた違う物を思い出されるかもしれませんが、ここでいうのは工事現場などにある『ここから先は入っちゃダメ』を示す「ウマ」です。一昔前なら黄色と黒の斜め縞模様と決まっていました。最近はカラフルですし、動物の形などのカワイイ物もありますけど、けっこうお高いし、子供なんかが見に来ちゃうと困る(逆に、誰にも見つかりたくない…)ので、却下です。


材料。単管パイプとA型バリケード


単管を固定する部分。天文マニアの方なら「鏡筒バンドと同じだ!」と思われるでしょう。


そのとおり、全く同じ原理です。これは開いたところ。


1メートルの単管パイプを使って、すぐにできました。使った道具はレンチだけ。

こちら、バリケードx2、1m単管x2、で一つできます。\1,688。これを2個作りました。


C.防雨・防犯対策


このままでは丸見えだし、防雨・防犯対策が必要だ…というわけで、第一段階として段ボールをかぶせました。さらに次のステップのために、簡単な「かご」を作りかけています。
こんな感じになりました。あとでこのフレームに何か貼ります。ただ、全部貼ると湿度がこもって機械に悪いので、上半分くらいの予定です。

このフレーム、正体は「タイヤラック」です。例えば、冬用タイヤを夏の間ベランダなどに置いておくための、ラックです。\3,980。専用の銀色のカバーが付いていますが、湿気を通さない(つまり、一度入った湿気は出さない→湿気は機械のサビの元になるのでダメ)そんな気がして、使うのをためらっています。
泥縄的なんですけど、ラックの足が短くて浮いてしまう(ピラーの横脚に当たる)ので、踏み台代わりにブロックを3個使いました。結果としてこれは大正解。このブロックとピラーの足をチェーンで結び、南京錠でロックしました。この部分、\1,922。
合計、\11,923。たいへんお安い「観測所」です。


ところで、追加の買い物をしにホームセンターに行った時に思ったこと。1m単管パイプと90cmの鎖って…『どこかケンカでもしに行くんですか?』って買い物だよなぁ…(笑)。人相悪かったら通報ものかも…?



これ…何だかわからないアヤシイ工作物(笑)。強いて言えば、何かの気象観測器具っぽい?


完成の遠景。なんだろね、これ?(笑)


…というような簡単な土木的作業を、昨日の午前中にしておりました。実は、これが終わってから、演奏会に出かけたのです。


さて、使おうにも今夜は曇りました。明日あたりは「耐雨試験」になりそうです…。