金環食を振り返る(4)

今日は、各論的反省点。ちょっとネガティヴです。


いや、あんなにお天気が良かったので、ああすれば良かった、こうすれば良かった、という点がいろいろ出てきてしまいます。人間、欲張りなものです。で、今日は思いっきりネガティヴに、反省点を振り返って記録しておきたいと思います。この教訓を、次回(2312年4月8日www)の金環食に生かしたいと思います。


1.やっぱり拡大撮影をメインにして、K-5を使用するべきだった。
望遠鏡にK-5初号機を取り付けて、インターバルで全経過を拡大撮影。これ、欲張って狙えば良かったです。天気予報がやや悲観的だったので、主力のK-5を200mmで「雲間のリング」を狙うことにし、もう1台のK-5弐号機はフィッシュアイで雲の動きをインターバル撮影(これは間違っていませんでした)。拡大撮影はバックアップ機のistDSを回しました。これが良くありませんでした。やはり一世代前のデジタル一眼です。像もいまいち、ノイズも多いです。何より、当時はダストリムーバブル機能なんてありませんので、CCD面にゴミがたくさん見られます。これ、撮り終わって何枚か見比べているうちにはっきりわかりました。こんな感じです。


食の終わり近くの1枚。太陽面の下端にゴミがありますが、最初、飛行機でも通過したのかと思いました。


食が始まった頃の1枚。一見、問題なくも見えますが…


明度を上げてみると、ゴミだらけ…。特に矢印の2カ所のゴミは深刻です。


全く幸いなことに、ゴミは金環にかかりませんでした。…というか、金環食だと、ど真ん中にゴミがあっても関係ないんですよね(笑)。


2.第2接触ベイリー・ビーズを撮りそこねた。
第2接触は、見とれてしまったんですよね(笑)。ほら金環に、今、なるなるなるなるぅーっ…って、興奮状態でした。第2接触と第3接触は連写モードにしてベイリービーズを撮るべきでした。


3.200mmの太陽の方向を慎重に合わせるべきだったし、あと5分早く露出開始しないと。
200mmで金環食ハイライトのインターバル撮影をし、動画にしましたが、太陽は画面の下の方を動いていきました。狙いでは対角線だったのです。これ、せっかくPCが近くにあったのですから、シミュレーションして良く合わせるべきでしたね。日周運動のシミュレーションなんて簡単にできるのに…。やはり本番中はいっぱいいっぱいになっていました。


4.赤道儀はバックアップがあったのに…。
よく考えたら、ユーストリーム用の望遠レンズ+ビデオカメラは、スカイメモに微動雲台をつけてその上でも良かったような気がします。北極星も見えたし…。でもGPのセッティングしたら安心しちゃったんですよね…。


5.嗚呼、MMD-III。
AR-1クーデにと、モータードライブMMD-IIIを落札して入手したのですが、整備不良で本番に間に合わず。まぁ手動追尾でもそんなに困らなかったんですけど。


6.老眼鏡で投影するのを忘れた。
これねぇ…。せっかく思いついてリハーサルしたのにねぇ…。ピンホールと一緒に思い出せよ、自分…。


7.太陽観測フィルター、あと一ヶ月早く完成したかった。
行き渡らなかったです…。例えば、ツイッターのフォロワーさんにももっと広く配布したかったです。現場で直接お会いできる人と、メアドを知っている人…程度の範囲しか配れませんでした。配れなかった皆さん、ごめんなさい…。
それと、前の職場を退職した人とか、久しくご無沙汰している友人などにも配りたかったんですけどね…。これを機会に旧交を温める、なんてのがあっても良かったよなぁ。
それもこれも時間の余裕がないのでできませんでした。第一、フィルターをこれ以上増産するには、時間が全く足りませんでした。材料のアストロソーラーフィルターも色画用紙も、まだ余裕があったのですけど…。


まぁ、いろいろ書きましたけど、これも晴れたから言えることなんですよね。ホント欲張りです。基本的に日食は、皆既または金環が「見られれば」100点と評価して良いほどレアな現象です。(部分食はいくら食分が深くても得点外です。)曲がりなりにも撮れたので、もう200点ですよ。
…と、「はやぶさ」を見習って、減点法でなく加点法で評価する事にしましょう。フィルターで喜ばれたり、ユーストリームで発信したり、周囲に天文好きをアピールできたりしたので、総計500点という事にします。うん、良かった良かった。ありがとう、金環食