宗教の勧誘…気持ち悪かった話

数ヶ月前のことです。夕空に低い彗星を観測しようと、庭に望遠鏡を出して準備していた時の話です。

わが家は市道沿いということもあり、目の前の市道は時折車が通ります。夕方ともなれば退勤や夕食の買い物の時間、田舎とは言え…いや、田舎だからこそクルマ社会で、それなりの交通量があります。観測する方向にもよりますが、多くの場合車のヘッドライトが目に入る度に目をつぶり、観測を中断します。
観測時には、暗い天体の光を捕らえるため、暗闇に目を慣らして瞳を開くことが必要です。ところが、一度明るい光を見てしまうと「暗順応」するのにまた時間がかかってしまいます。(最近はトシを取ったせいかますます時間がかかるように…)それでもなるべく暗い環境にしようと、観測の際には家の灯りを全て消灯。一見すると『この家は留守か、もう寝ているか』のように見えると思われます。それなのに…

敷地入口、少し広くなったところになぜか停車(駐車?)している車が1台。困った事に、ヘッドライトは点灯したままです。折悪しく、観測したい彗星がある方向が、車のある方向と一致。『何だよー、邪魔だな、さっさと行けよー』…早く観測しないと、彗星はどんどん低くなってしまいます。イライラしながら、行ってしまうのを待っていました。
少しして、誰かが歩いてくる足音…防犯を兼ねた砂利を踏む音が、一歩、また一歩と迫ってきます…(ゾッ!)。『なんで?なんで真っ暗にしている人の家に入ってくるの?』考えられるのは、泥棒とか、車にイタズラするとか、悪意ある者がメインですが…そうなら何とか対処するか、それとも逃げるか、決断の時!
ここで1つ思い当たる節が…もしかして「市報」の配達に来た町内会の役員さんかもしれません。いつもポストに投函してもらっているので、その流れで行くと真っ暗でも郵便ポストまでは来るでしょう。いきなり「何者だ!」と怒鳴るわけにも行きませんね。逆に愛想笑いして「いつもお世話になりますー。」とか挨拶しないと。
この時、車が去ったら即観測できるように、望遠鏡の脇に設置したイスに座っていました。実は圧倒的に不利な状況が…。それは、車のライトが私を照らし、私から見た侵入者は完全な逆光だったのです。全く、相手の顔どころか姿もわからない…!さぁ、どうする?
あろう事か侵入者、ポストのある玄関をスルーして真っ直ぐにこちらに歩いてきます。脳内シミュレーション開始。5~6歩下がると金属製の熊手がある。ただ、下がると望遠鏡をガードできないし、左側に車もある。いっそ攻勢に出るべきだろうか?でも素手だしなぁ…。イス、そうだイス振り上げるか?場外乱闘みたいに…。

そうこうするうちにファーストコンタクト。
「こんばんはー」…(おばさんの声です)距離2メートル弱
「はい!?なんですか?」…(あからさまに不機嫌な自分の声)相手との間にはアルミベンチが置いてあります
「これ読んでください。N蓮聖人様の…」…さらに近づき、何かパンフレットを渡そうとする
即座に「うちはいりません」(ビシッ)
続けて「それより車のライト!観測の邪魔!迷惑なんです!早く消してください」
「…はい…すみません…」(とか言ったような気がする…)

と、こんなやり取りだったと記憶しています。
N蓮系で勧誘に来るといえば、S学会でしょう。いやー、気持ち悪いことこの上ありません。そうでなくても昨今は宗教団体の問題が(アレは宗教を語った詐欺団体でしょうけど)露見して、毎日マスコミをにぎわしているというのに、こんな時によく勧誘に来るよなぁ、無神経だなぁ、自分の団体のイメージ落とす事につながるのに気が付かないのかなぁ…。特に気持ち悪いのは、真っ暗にしている他人の家の敷地に入り込んで勧誘をしようとする事です。
というわけで、ただでさえ良くない同団体のイメージ、またまた急下落です。(今までにあった事についてはここでは語りません。ただ私にとってはこの件がある前から、ずっとイメージは良くないです。)
そもそも観測している時間って、自分にとっては一種の「神聖な時間」で、いっっっっちばん邪魔されたくない時間なんですよね。わかってんのか、おめぇ?(わかるわけねーべなー…)おかげで彗星が低くなっちまったじゃないか!!(そこか!…いや、そこなんだよ、問題は。時間という他人のリソースを…(以下略))

=== あとから考えたいろんな事 ===

  • 返答の際「二度と来ないでください」も加えるべきだったかと思っています。それと、あとで警察沙汰になった時のことを考えて、相手の所属・氏名はただしておくべきだったかな?とも思っています。でも名刺なんか受け取りたくないけどなぁ…気持ち悪いから。
  • 月末に近い日だったので「勧誘ノルマ」でもあったのかもしれません。車の中には「上役」の人が待機していたのかな?もしかして、それ昔の知り合いかも知れないよなぁ。それはそれで気持ち悪い事で、そうだったとしても会いたくなんてないけどね。
  • 別の話。十字架教系の某団体、だいぶ前に来たことありますけど、本当に子供連れで来るんですよね…。子供がかわいそうだなぁ…と思っていたら、最近何かと話題になっている「宗教2世」…。やっぱりなぁ…。

今回のこの団体Sの人って、勧誘のトレーニングのため、コミュニケーション能力を磨いている人が多いです。学生時代の友人でも、サークルの責任者をやったりする事もある、積極的でコミュニケーション能力がある「良いヤツ」が、実はそうだった、なんて事もありました。だけどこの人たち、『いつもは良い友人づきあいだけど、宗教の勧誘始めたら“どん引き”して、それが壊れる』という微妙なラインの、その踏み越しタイミングを間違える事があるんですよ。いや、楽々踏み越えるというか、むしろ、ラインがある事すら知らなかったのか…という事例すらあります。こちらとしては『はぁ?なぜこのタイミングで?そもそもコイツ、そうだったの?』っていう驚きと当惑がメインになってしまい、怒るのを忘れてしまったりします。どうしたら良いんでしょうね、こういう時って…。

別の団体の話です。精神科の病院に通院しているときのことですが、待合室で「これ読んでください。元気になりますよ。」と文庫本を渡されました。予備知識がなかったのでとりあえず受け取ってしまったのですが、家で読んだら、これがまぁ気持ち悪い…自分の感覚とは全く相容れないもので、次の診察の時に返そうと思ったのですが、同じ人には会えませんでした。もしかして、患者でもなかったりして?…で、精神科で「あきらかに心の弱った人」をターゲットにした布教活動だったのかな?だとしたらなかなか卑劣ですね。預かった本は、燃えるゴミ回収袋にそっと入れました。この団体、どんな状態の時に人は「堕ちる」のかリサーチして信者を増やしているのかもしれません。頼むから、宗教のくせに科学を名乗るのはやめていただきたいものです。

【おことわり】宗教の内容や信仰に関することはたいへん個人的な事です。他人に最も立ち入られたくない事の1つです。コメントについては掲載許可や返信をしない場合があります。あらかじめおことわりしておきます。