「お客様の中で…」

ドラマなどでよくありますけど、飛行機や電車の車内で具合の悪くなったお客さんが出たときによくある台詞で、


「お客様の中でお医者様はいらっしゃいますか?」


ってありますよね。実は今日、その現場に出くわしました。いや、その前からトラブル続きだったんですけど…。


朝帰りの常磐線。上野で乗って、日暮里、我孫子と通過。もうすぐ柏というところで緊急停止しました。車内放送によると、「車両の下から大きな音がしたので、点検のため停止」とのことです。これがけっこう時間がかかり、その場に20分くらい停止していました。あとで通過駅を確認したら、南柏の少し上野寄りのあたりでした。
これだけでもけっこう貴重な体験です。考えてみれば、ほとんどの場合は遅れることもなく正確に運行しているわけで、日本の鉄道技術は素晴らしいですね。
そうこうするうちに具合の悪くなったお客様がいたらしく、アナウンスが流れました。


「お知らせいたします。11号車で、具合の悪くなったお客様がいらっしゃいます。お客様の中で医療関係者の方はいらっしゃいますか?」


なるほど、お医者さんに限定すると確率が低くなるけど、医療関係者と言えば、看護師さんや検査技師さんも含むわけですな。ふむふむ。
ちなみに私、飛行機内で体調が悪くなった経験がありますが、CA(当時はスチュワーデスと言いました)から胃薬を渡される時「これは私どもから差し上げるわけにはいきません。お飲みになる場合はお客様ご自身でお取りください。」と言われました。つまりこれ、医者以外の人が薬(医薬品)を飲ませるってことは、医師法に触れるか何か、そんな問題があるんでしょうね。同様に、電車の乗務員にとっても、医療行為をする事はできないのでしょう。そこでやむなく「お客様の中に…」という事になるわけです。


さて、少しして、近くの席に座っていた女性客が、すっくと立ち上がって隣の車両に移動して行きました。…が、この方が果たして女医さんなのか、看護師さんなのか、それとも単にトイレに行っただけなのか(笑)、それはわかりません。わかりませんが、それから間もなく、電車は動き出しました。
次の柏駅を通過する際に見ていると、ホームで駅員が何人か、病人を受け入れている様子でした。乗務員はそのまま乗務を続けるんでしょうね。やるべき救急処置を行い、一刻も早くしかるべき人に引き渡す…これが正解でしょう。


ちなみに先日購入したフェイスシールド、持っていましたけど、さすがに使う事態にまではなりませんでした。そりゃそうです。医療関係者でないにしろ、乗務員の方がこういう事態には手慣れているはずですからね。よほどのことがない限り、これが出動することはありません。そういう機会がないように祈っています。…が、いざとなった時の覚悟だけはしておきたいと思います。