地磁気観測所

日曜日、近くにある地磁気観測所の一般公開に行ってきました。
「柿岡の地磁気観測所」と言えば、鉄道ファンにはおなじみです。地磁気観測所は、きわめて微少な地磁気の変動を観測するので、それに影響のある鉄道の直流電化は認可されません。そのために常磐線には取手までの直流区間と藤代以北の交流区間が混在し、取手〜藤代間に一時的に電気が来なくなる「デッドセクション」ができる理由となっているのです。でも鉄な方でもここを見に来たことのある人は少ないだろうな。地元民の私でも、名前は知ってるけど見に来たことはなかったもんなぁ。
  リンクはこちら→気象庁 地磁気観測所
そんな地磁気観測所。実は、天文仲間のF氏の職場だったりします。転勤が多い職場のようですが、柿岡にいるうちに『働くFさんを見に行こう』という野次馬根性も手伝って、今回、見学に行ってみたのです。同じ天文仲間の、みゃおさんも一緒です。
今年は柿岡に観測所ができてから百周年とのことで、いつもより一般公開に気合いが入っているようです。そんなに古いとは地元民でも知らなかったりしますが…。大正時代からの観測棟などがあるとのことで、地磁気のことがわからなくても、また違った角度から楽しめそうです。(とはいうものの、天文をかじっている以上、地磁気のことは知らないではすまされない立場であったりしますけど…w)


はじめに展示室を見学し、講演会を聞きました。「地磁気とオーロラ 〜越冬隊員がみた南極の今〜」と題し、研究員の方で南極越冬隊に参加された方による講演でした。ほぼスライドショーというか、画像が豊富で、動画もあり、お子さんにもわかりやすいお話でした。特に感銘を受けたのは、オーロラの動画です。すごく神秘的で、ゾクッとします。一瞬『オーロラを見に南極に行ってみたい…』と思わせるのですが、その直後に昭和基地の年間平均気温のグラフが…これ見ると普通の人は行かない方が良いみたいです…よほど寒さに強い人をのぞいて…(笑)。


ふだん入れないところも見られる、見学ツアーに参加しました。
本館からスタート。本館も由緒正しい、古い建築物です。

右側で、受付やアンケート記入をしています。


空中電気室。大正時代の建物です。


カスマー地磁気観測施設。ここは立入禁止。


実験室。これも大正時代の建物。


広い敷地内を歩く見学者一行。


第二絶対室にて。絶対観測のデモがありました。これはその観測器具。いまだにこの機械を手動で動かしながら観測を行うのだそうです。(モーターなどは磁気を発するので使えないのです。)


石室。温度変化を嫌う微細な観測のために、石でできた観測室があります。この部屋も100年もの。温度変化を防ぐために、半分土に埋めてあります。

石室内の観測機器と、解説する研究員の方(右)。この方はOBだそうで、公開の時は手助けに来る、と仰っていました。石室のような古い観測方法は今や解説できる研究員も少なくなってきている、そうです。(一方では絶対観測のような、手動による観測もいまだに欠かせないわけですけど…。)

入り口が三重になっていますが、その二番目の入り口の上部、石造りのアーチ構造。


石室を出て…ワイン保管庫に良いよね、というのが、いい大人の一致した感想(笑)。
見学してみて、地元にこんな場所があったのね、という新鮮な驚きがありました。正直、地磁気のことはよくわからない面が多いです。目に見えるものではないし、頭でわかっていても体験する機会があまりないですし。ただ、こういった地味に思える分野の、長いスパンにおけるデータの蓄積(これまた地味の中の地味ですけど)を担う観測所が地元にあるという事、ちょっと誇らしい気持ちになりました。また公開があったら見学に行ってみたいと思います。


こんな感じで、晩秋の一日、お天気にもめぐまれ、自然の豊かな観測所の見学をしてきました。どんぐりをひろったり、また、栗や銀杏も落ちていたなぁ。銀杏の紅葉はまだ途中でしたね。


そうそう、気になったことが一つ。敷地内はきれいに草刈りされていましたけど、刈り払い機ってバイクのエンジンと同じでノイズの元になるんじゃないかなぁ…。もしかして、手で草刈りしたのかなぁ…。あの広い敷地内を…???…素朴な疑問です。


見学後、みゃおさんと地元のそば屋に行ったのですが、ホントにお天気が良くて気持ちの良い日でした。ところで、車で走っている時に、目の前をイタチが横切ったんだけど、あれ、どこだったっけ???そば屋の近くだったかなぁ???…そんな、自然の豊富なわが地元のまちです。