気がつけば金環食本番まであと10日となりました。
いろいろな知り合いに、例の太陽観測フィルターを配り回っていますが、ここでご注意を一つ。それは、ラミネート加工した事により、フィルター性能の劣化がみられる、という事です。詳しくは、こちらの報告のこのページをご覧下さい。早い話、ラミネートの熱処理により、光学面に変化が起き、フィルタリング性能が落ちて、設計どおりの性能を発揮できない、という事です。
ただ、ラミネートしない場合にも、観測に使用することによる光線による劣化がありますし、表面が傷ついてできる微少な穴(ピンホール)による影響の方が多大だと考え、私としては回収等はしないつもりでおります。
お願いです。当ブログ製のフィルターに限らず、太陽観測フィルターをご使用になって太陽を観察する際は、長時間継続して太陽を凝視するのはくれぐれも避けてください。では長時間ってどの程度?と思われるでしょう。天候条件などにもよりますが、例えば、1分の間連続して太陽を凝視するのは、網膜に負担がかかると思われます。連続観察するのは、数秒〜10秒程度にとどめるのが無難と思います。目を休めながら観察するように心がけてください。
なお、フィルターへの加熱加工について、メーカーのパンフレットにも下記のような注意事項が追記されています。
【参考:販売社「国際光器」によるアストロソーラーフィルターのページ】
自作太陽観測フィルターの製作においては、万全の注意をしておりますが、万が一、太陽を観察していてまぶしさを感じたり、目に異常を感じた場合は、すぐに使用を中止してください。場合によっては眼科医を受診してください。
上記の注意書きを読んでいて気になった事があります。それは、自作太陽観測フィルターのラミネート加工の仕上げとして、角を丸く仕上げているのですが、これのパンチかすが付着し、目に入る可能性があります。パンチかすは全て除去しているつもりですが、十分気をつけてお使いください。
以上の更新を読むと、『太陽観測フィルターで太陽を観察するのは危険だ』と思われるでしょう。たしかに危険ではあるのです。(そもそも太陽を観察しようとする事自体が危険を伴うのです。)が、無理に裸眼で見たり、昔の方法(すすをつけたガラス板、下敷き、感光したフィルム、等々)で観察するのに比べると、危険性は格段に少なくなっています。どうぞ安心して(でも気をつけて)金環食をお楽しみください。