昨日の予告のとおり、低倍率双眼鏡についてのお話です。
第1回めはラインナップ紹介です。以下の5台が、私が入手した双眼鏡です。それぞれの「イチバン」の項目を、赤い文字で表してみました。
型番 | メーカー | プリズム | 口径 | 倍率 | 実視野 | 見かけ視界 | アイレリーフ | 重さ | 最近距離 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(mm) | (度) | (度) | (mm) | (g) | (m) | ||||
4x22WA | 笠井 | ダハ | 22 | 4 | 17.0 | 68.0 | 12 | 390 | 1.5 |
5x20-A1 | 日の出 | 逆ポロ | 20 | 5 | 9.4 | 47.0 | 16 | 195 | 2.0 |
SW-525 | ミザール | ダハ | 25 | 5 | 15.5 | 77.5 | 15 | 440 | 1.5 |
YF30-6 | コーワ | ポロ | 30 | 6 | 8.0 | 48.0 | 20 | 470 | 5.0 |
6.5x21 | ペンタックス | 逆ポロ | 21 | 6.5 | 7.5 | 48.8 | 15 | 290 | 0.5 |
※ 見かけ視界は、倍率×実視野で求めたものです。
とりあえずケースのまま、勢揃いです。
いずれもソフトケース。下の3個は直方体、弁当箱のような四角いケースです。上の2個は台形で曲面を持つケースで、個人的にポシェット形と呼んでいます。(正式名称がわかったらあとで書きます。)昔ながらの飯ごう型(やや円筒に近い形で、革張りなど堅牢なものが多いです。)は、このクラス、この価格帯ではありませんでした。
このクラスでは、ケースは外部からの衝撃から双眼鏡を守るというよりは、傷をつけずに持ち歩くことを目的に、軽く作られているようです。
双眼鏡を出してみたところ。2連式の接眼キャップは流行りなんでしょうか?紛失しづらいのでこれは良いと思います。
いろんな形があります。いずれも、画面上側が対物レンズ、下側が接眼レンズです。
対物側が接眼側よりも広がっているのが「ポロ」型で、逆に狭くなっているのは「逆ポロ」型。同じ軸線上になっているのは「ダハ」型です。「ポロ」と「ダハ」は、ポロプリズムとダハプリズムの略で、それぞれ使われているプリズムが違います。昔からよく見かける形といえば、ポロタイプです。
ポロは、発明者のイタリア人、ピエトロ・ポロから来ています。ダハは、ドイツ語で「屋根」という意味で、プリズムの形から来ています。
ポロタイプは、対物側が広がっています。…ということは、立体視の基線が長いわけで、より立体感を持った景色を見ることができます。ではなぜ逆ポロタイプができたかというと、対物レンズを内側に配置することにより、双眼鏡を非常にコンパクトにできるからです。
ダハタイプは、1本の筒の両端に対物レンズと接眼レンズがついているように見えますが、実は内部のダハプリズムで光が行ったり来たりするように、光路を折り曲げてあります。ダハタイプもかなりコンパクトにできます。また、ダハプリズムには高い加工精度が必要になりますので、一般的にポロよりも割高になります。(逆に言えば『ダハの安物は信用できない』と言っても良いでしょう。)
次回から1台ずつ、詳しく紹介して行きます。お楽しみに。