低倍率おすすめ双眼鏡 (5) コーワYF30-6

老舗メーカーの英断提督の決断」みたいですけど…。

今日は、コーワYF30-6。発売したばかりの製品です。

おもな仕様

  • 口径:30mm
  • 倍率:6倍
  • プリズム:ポロ
  • 実視界:8.0度
  • 見かけ視界:48度
  • アイレリーフ:20mm
  • 重さ:470g
  • 最短合焦距離:5.0m
  • 合焦機構:CF
  • 外装:ラバーコート
  • 付属品:接眼キャップ、対物キャップ、ストラップ、ソフトケース

粗製濫造の高倍率双眼鏡が多い中、あえて低倍率・低価格の双眼鏡を市場に投入したコーワの英断には、頭が下がります。敬意を表する意味もあって、早速、入手した次第です。(1台増えた言い訳w)
コーワ興和)という会社は、元々は繊維関係を扱っていたようですが、現在は機械・建材・医薬・電機など、幅広い分野の製品を取り扱っています。皆さんに馴染みが深いのは、コルゲンコーワ(かぜ薬)やキャベジンコーワ(胃腸薬)でしょうか。
光学機械も長いこと作っています。観光地によくある、コインを入れてのぞく双眼鏡は、コーワ製である事が多いです。小型双眼鏡や単眼鏡(スポッティングスコープ…バードウォッチング分野ではおなじみ)の印象では、どちらかといえば高級品が多く、なかなか手が出ないメーカーではありました。それが今回、普及価格帯への進出、しかも低倍率です。コーワの製品を手にするチャンス、と思った次第です。(また言い訳…w)


元箱、ソフトケースと一緒に。(Kowa)のロゴが赤である関係で、箱も黒と赤を基調としています。


上側。ストロボの関係でグレーに写っていますが、実際の色はほぼ黒です。

ピントリングのスカーレット・レッドが、良くも悪くも目立ちます。外観の好みは、この部分で分かれることでしょう。いっそ、ここがいろんな色のを出せば良いのに…と、ミーハーな私は思います。いや、色で言えば、ボディのラバーの色をカラフルにすると、また違うユーザー層が生まれると思いますけど…。どうでしょ?メーカーさん?


下側。ラバーコートが持ちやすい形に成形されています。

実際に持ってみると、非常にホールドしやすい大きさ・形である事がわかります。長年ポロ形を使っているせいか、安心感があるんですね。やはり対物側の方が幅広くなっていた方が持ちやすいですし、使っていても微妙な動きが可能になります。


接眼側。接眼レンズはわりと大きめ。のぞきやすそうな印象です。


対物側。三脚ネジ穴はありません。


イカップはツイストアップ方式。左側に回すと、カチッカチッと三段階に繰り出せます。

右側が繰り出した状態です。

このアイカップは本機には絶対必要です。というのは、出さないと見づらいほどアイレリーフが長いのです。つまり、眼鏡をかけた人にものぞきやすいような設計になっているのです。その代わりに見かけ視界は48度と無難なところに落ち着いています。(いや、十分広いですけど…超広視界マニアには物足りない点ではあります。)


最初の写真でわかりますが、ストラップがなかなか良い感じです。首にかかる部分が太く、柔らかい素材でできています。もちろんすべり止め効果もあり、伸縮性もあります。耐久性は…まだわかりませんけどね。
もう一つ、最初の写真から。対物キャップが写っています。取って部分があって、ストラップに付けられるよう、溝が切ってあります。これ、アイデアは良いのですが、使っているうちに落ちてしまいます。もう一工夫、何か欲しかったところです。


ピントリングの使い方。

赤い部分は凹んでいますので、ここに指をかけてピントリングを回します。右手の中指をピント用にし、他の指でしっかりと双眼鏡をホールドできます。慣れると、なかなか使い勝手が良いです。


昼間の風景を見てみた感じですが、びっくりするほどシャープなわけでもなく、それでいて十分良く見えるという、何と言うか、謹厳実直な(?)見え方です。像の崩れは小さく、端の方でも結像しますが、像面湾曲からはさすがに逃れられません。
今回試した中では、星見には一番良かったです。口径が3cmということで最大口径なので、当然と言えば当然なのですが、微光星がたくさん見えますし、そこそこコントラストも良く、星見を十分楽しめます。ただ、普段、星見に5cmを使っている身としては、物足りなさを感じますが…。それでも、星見の入門には適した一台ではないかと思います。
コンサートにはどうかというと、見え味は十分で、もちろん問題ありませんが、今回比較した中では一番大きいので、携行性には欠けます。…と言ったって、十分コンパクトですけどね…。(重さだってそうです。今回比較した中では一番重いですけど、一般的な双眼鏡の中では軽い方です。)


ここで参考に、双眼鏡の大きさ比較。一番左が本機です。

左から、YF30-6、7×50CF(ニコン)、11×80(ATM)。口径で言うと、3cm、5cm、8cm。右の2台は、いつも天体観測に使っています。普通、双眼鏡と言ったら、真ん中の5cmくらいの大きさがあるもんですけどね…。


メーカーの製品紹介ページはこちら→KOWA-PROMINAR OFFICIAL WEB SITE
丈夫なコーティング、窒素ガス充填など、私が書き忘れたことがいろいろ書いてありますので、読んでみてください。


アフィリエイトを貼っておきます。楽天最安値。(更新日現在)

アマゾンだとこちらです。