2009年

年末近くなると、いろいろな分野で年鑑の類が出版されます。天文にももちろんありまして、これはいわば「天界の時刻表」です。毎月の星空や、日食・月食などの天文現象が何月何日何時何分にどのように見えるか、細かく解説されている書籍です。


天文観測年表〈2009年〉

天文観測年表〈2009年〉

天文観測年表2009地人書館)。\3150。B5判、p.262。
年鑑類の中では最も細かいデータが載っています。余程のベテランでも100%使い切っている人はいないでしょう。いや、ベテランほど専門分化するから、自分の専門分野以外の部分は使わなくなるでしょうけど。


天文年鑑〈2009年版〉

天文年鑑〈2009年版〉

天文年鑑2009誠文堂新光社)。\1050。B6判。p.344。
ハンディな中にデータがぎっしり詰まっています。天文入門者にはオススメ。ただし、内容はわからない事だらけのはずですので、一つ一つ疑問を解決して行くことによって、天文知識がついてきます。(中学時代の私がそうでした。もうウン十年前の話です。)


天文手帳〈No.33(2009)〉

天文手帳〈No.33(2009)〉

天文手帳2009地人書館)。\910。
“星とともにスケジュールを考える”人向き。日記の欄には毎日の月の形、日の出入り時刻、月の出入り時刻、主な天文現象が載っています。現象の予報などのデータは軽めですが、巻末の「将来計画表」には10年先の日食・月食が載っていて、思わず長生きしたくなりますw


…というわけで、わが家に勢揃いした3冊です。


来年、2009年は「世界天文年」です。ガリレオ・ガリレイが、当時発明されたばかりの望遠鏡を天に向け、科学的な観測をしたのが1609年。それからちょうど400年ということで、国連・ユネスコ・IAU(国際天文連合)が定めました。
特に注目される天文現象に、次のものがあります。

  • 7月22日 皆既日蝕 46年ぶりに日本で皆既日蝕が見られます。ただし、皆既日蝕が見られるのは屋久島・種子島南部・トカラ列島奄美大島北部のみ。他の地域は部分日食のみです。
  • 2月23日 水星食&木星食 明け方の空で水星と木星が月に相次いで隠されます。ただし空が明るくなってからの現象ですので、観測するのは難しいでしょう。
  • 8月〜9月 土星環の消失 …と言いますが本当に消えるわけではありません。土星の輪を真横から見る時期になるので、見えなくなります。


以下、肉眼でも楽しめそうな現象です。

  • 1月3日 しぶんぎ座流星群極大。3日深夜から4日朝にかけて見られます。流星数は少ないです。
  • 2月20日 金星が最大光度 夕方の空で-4.6等になります。
  • 5月2日 金星が最大光度 明け方の空で-4.5等になります。
  • 8月13日 ペルセウス座流星群極大。下弦の月があるので条件はあまり良くありません。
  • 10月21日 オリオン座流星群極大。月がないので条件は最良です。
  • 11月18日 しし座流星群極大。月がないので条件は最良です。
  • 12月14日 ふたご座流星群極大。月がないので条件は最良です。


…と、リストアップするだけで30分近くかけていますw 天文ヲタクは、年鑑本があるだけでこんなに楽しめてしまうものなのです。一昔ふた昔前だと、年鑑本が出る時期に、来年のことを展望しながら飲み会をしたものでした。今夜は…一人で年鑑本をサカナに一杯、とも思ったのですが、逆に、休肝日にして、その寂しさを紛らわすのに見ていますw