ジャコビニ流星群

今夜、ジャコビニ流星群の極大日です。『あんまり出ないだろうなー』とは思いつつ、OZさんが観測しに来るというので、私も見てみます。
この流星群、50歳前後の方にはおなじみと思います。1972年に『大流星雨がやってくる』と言われながら、ほとんど流れなかった…という流星群です。マンガ「アストロ球団」で「ジャコビニ流星打法」が登場したり、松任谷由実も「ジャコビニ流星の日」という曲を作ったり、と、一種の社会現象になりました。どこのカメラ屋でも高感度フィルムが売り切れ、なぜか望遠鏡まで売れる始末…(流星を見るのには肉眼が主。望遠鏡はいりません。)。
ちなみに、このジャコビニ流星雨に続き、翌年は明るくなるはずだったコホーテク彗星でまたも空振り。天文学者は以後、マスコミに情報を流すのに慎重になりました。マスコミは…慎重になるなんて事は全然ありませんでした(笑)。
次に記憶にのぼってくるのは、1985年の大出現です。この夜は予報よりも早い時刻に出現し、観測者の間では『夕食を食べていた人は観測できなかった。』と言われています。私はこの夜、観測地に向かう途中、人工衛星の落下を目撃しました。この衛星、ペナントレース優勝間近の試合をしていた阪神甲子園球場の真上を通り、テレビカメラでも捕らえられたのです。観測地に着くと、既に観測していたI氏と私…
  私 『Iさん、大火球見たよ。人工衛星の落下かもしれない!!!』
  I 『それどころじゃないよ、ジャコビニ、出てるよ!!!』
…と、興奮した会話がすっかりすれ違ったという思い出があります。


さて、今年のジャコビニ群(正式名称は「10月りゅう座流星群」といいます。)、計算によると出現のピークは世界時16時〜22時とされており、これは日本時間で言うと01時から07時となります。あいにくこの時間になると放射点輻射点ともいう)が低いので観測には不利ですが、『何個か見えればもうけもの』と思って夜空を見上げようと思います。もしも「1時間に20個」とか見えたら、それはもう「大出現」の部類になります。でも「3分に1個」では、一般的に思われている「流星雨」のイメージとはほど遠いでしょうけど…。


皆さんも、晴れていたら、見てみてください。なるべく広い空が見える場所で、外灯などの明かりが目に入らないようにします。シートを敷いたり、サマーベッドで寝転がると楽でしょう。身体が冷えるので気をつけてください。
北の空から、ゆっくりした流れ星が流れたら、それがジャコビニ群の流星かもしれません。



【追記】
OZさんと軽く飲んだら、それだけで眠くなってしまい、私は結局ほとんど寝ていました。いや実は、先週の日曜日から休肝日が続いていたもので、けっこう効きました。
それはさておき、肝心の流星群ですが、雲が多くてほとんど観測できなかったそうです。…が、粘った末、雲間からいくつか見えた流星のうち、どうやら1個だけジャコビニ群らしい(この群は、軌道の関係で対地速度が遅く、流星もゆっくり、フワフワした感じに流れます。)ものを見たそうです。
国内の電波エコー観測(曇っても昼間でも観測できます。)によると、05時過ぎ、明るくなってから、それなりの数の出現が捕らえられたそうです。
あと一つ忘れていたネタ。「トップをねらえ!ユングフロイトの『ジャコビニ流星アタック!!!』(笑)