ペルセウス座流星群の極大日

昨夜はスピカ食の後、さらに天文現象が続きます。1年で一番たくさんの流星が見える日*1ペルセウス座流星群の極大です。
今年のペルセウス座流星群は条件がきわめて良好。月明かりは邪魔にならないし、極大時刻は日本の夜だし。ただ一つ、今年はどうも「晴れない夏」みたいなんですね。ここでいう「晴れない」は星屋的な意味で、つまり「星が見えない夏」ってことです。日中、陽射しはあるものの、夜になると夕立が降ったり薄雲に覆われたりして、満足に星を見ることができません。
昨夜も例に漏れず、夕方からアヤシイお天気。それでもスピカ食はなんとか見えたのは幸いでした。スピカ食を撮って気をよくして、『今夜はペルセウス座流星群だし、一晩中起きて星見ようかな』とか目論んでいました。ところが、ホタテとハマグリを焼きながらニュースを見ていると、L字型の青い画面に「関東地方に強い雨」。さらに「○○区で停電何百軒」「○○区でも停電何百軒」と、次々にニュースが流れます。こりゃダメだぁ、とあきらめ、とりあえず望遠鏡を片付けました。実際、22時頃には弱い雨が降り始めていました。片付けて良かった…。


ペルセウス座流星群の出現数が多くなるのは、放射点が高く上る夜半過ぎです。薄明開始が 03:30頃ですから、当初、01:00〜03:30を観測にあてる予定でした。起きていなくてもカメラが勝手に撮ってくれるのを期待してです。でもどうやらダメみたい…。どうしようかなぁ、と考えているうちに寝落ちしていました。
はっと気がついたら既に02時。すぐに外に出ると、雨こそ降っていませんが、全天雲の中です。雲に濃淡がありますので、とりあえず起きていることにします。ベッドの脇の窓を開けると、空の1/6くらいは見ることができます。流星を、いや、晴れ間を待ちながら、寝ちゃってもいいや、とのんびり構えてごろごろしていました。


03時を過ぎました。空は相変わらずですが、同じ寝るなら夜空の下にしよう、と庭に出動。虫よけスプレーを吹きまくり、サマーベッドを出し、ベンチをサイドテーブルにしてトークライナーをセットし、横になりました。すると、いくつかの星が見え始めました。天頂付近に見えたのは、アンドロメダ座のβかγか…。東の空のは、カペラかな?と、星座の星をたどる障害物ラリーです(笑)。時折、晴れ間がやや広くなりますが、カシオペヤの5個の星のうち、同時に3個までしか見えません。そうこうするうちに当初の観測予定時刻の03:30を迎えました。
さすがに流星を1個も見ないというのは悔しいので、もう少し粘ることにしました。すると、今までで一番大きな晴れ間が天頂付近に出現。空の1/4くらいが見えました。…で、流星見えましたよ。2個ですけど。立派なのが1個と、しょぼいのが1個。どちらも方向からしペルセウス座流星群のものです。あ゛ぁ、起きてて良かったぁ…。
どちらの流星もほんの一瞬、もちろん願い事など言えるはずもありません。それというのも、ペルセウス座流星群の特徴として、流星のスピードが速いからなのです。これは流星物質が地球とぶつかるような軌道になっているためで、「正面衝突」でやって来るためです。
03:45、晴れ間が閉じてしまったので観測終了。ロスタイムで得点したような、ちょっと得した感じです。久しぶりに夜空の下でのんびり寝転んで、なかなか楽しかったなぁ。ちょっと昔を思い出した気分。たまにはこうして、肉眼だけで星を見るという、原点に帰る事も良いかもしれませんね。

*1:毎年間違いなく見える流星群の中では、ペルセウス座流星群が一番多いと思われます。しし座流星群のように、年によって出現数が大きく違う群はおいといて…です。