出張の帰りに

ちょっと寄り道してきました。


車での移動だったのですが、とにかく暑くてまいりました。夕方、まだ暑い時間に用事が終わったので、暑さから逃れようとショッピングセンター(以下、SC)に逃げ込みました。一度℃-uteも来たことのあるSCです。
しばらくSC内の、書店、楽器屋を見たり、コーヒーを飲んだりしていましたが、映画でも見ていこうと思いつき、映画館に行ってみました。いや、実は下調べはしてあり、「さや侍」は近くのSCではやっていなくてこのSCでないと見られないことは知っていました。で、どんなストーリーなのかもろくに知らずに、タイトルに惹かれて見てきました、「さや侍」。
(もちろん、さやしが出てくるわけではありません…。)
あ、これって吉本興業プロデュースなんですね。そっか、笑えるんだな。と、これが第一印象。あらすじを簡単に言うと、武士がいやになって刀を捨てて鞘だけ持ち歩く「さや侍」、彼は出奔して藩から追われるお尋ね者なのです。娘と一緒に流浪の末、他藩で捕らえられた彼は、『三十日のうちに若君を笑わせることができなかったら切腹』という罰を受けることになります。果たして彼は若君を笑わせることができるのか…?
主演の野見隆明は素人だそうですが、なかなかの味を出しています。娘役の熊田聖亜ちゃんが良いですね!しっかり者の娘、気の強い一面も良く演じています。他にもいろんな俳優さんが演じていますが、家老役の伊武雅刀が「切腹を命ずる!」と何回も言うのを、いろんな声音を楽しむことができ、さすがです。柄本時生はずっと口を開けていますが、演技にしても開けすぎだろw
お笑いの人もたくさん出るので、大爆笑できるかというとそうでもなく、どちらかというと、『滑稽さと隣り合わせの哀しみ』を一緒に味わう、って感じでしょうか。また、エンディングに意外なドラマ性を持たせたのは、この作品がテレビドラマでなく、映画として作られたからでしょうか。
彼は、武士を捨てながら、武士であろうとしたのです。その生き方には、多くの人が『自分に通じるものがある』と感じるでしょう。『仕事なんかしたくない。でも仕事しなきゃ。』これと似ています。どうしようもなく逃げたいんだけど、でもやる気も残っていて、なんとか仕事している、自分も含めて、多くのサラリーマンが共感する部分かもしれません。そんなふうに、お笑いの映画のくせに、けっこう骨があり、見てよかったと思う映画でした。
(細かい部分、ツッコミたい箇所はありましたけど…。『これいらんだろ』みたいなの…。)