今日の一杯「Bell's decanter」

今日の一杯は、愛理ちゃんの公式ニックネーム(でも全く浸透していない)「お鈴」にちなみ、スコッチの「ベル」です。過去、たくさんのシングルモルトを取り上げてきましたが、今回はブレンデッドウィスキー、つまり、モルトとグレーンをブレンドしたウィスキーです。
余談ですが、おそらく鈴木さんにちなむと思われる「ベルツリー」というブランドがあちこちに存在します。でも、楽器屋さんでは、ハンドベルの一種で鈴が文字通り“鈴なり”になった楽器をこう呼んでいるようです。ほら、「ジングルベル」なんかで、シャンシャンシャン…って鳴らす、この楽器です。
 ← これが「鈴木さん」だ!
さて、スコッチです。ベルの普及価格帯の「8年」に関しては、以前、樽に仕込む用に大量に購入しました。2009年05月18日の更新を参照してください。このベル、お求め安い価格帯にしては美味しいウィスキーで、私個人としてはとてもスコッチらしいスコッチと思っています。実際、イギリスで最も売れているウィスキーの一つだとか。そんなベルの、こんなユニークな、鐘(ベル)の形の、陶器のボトルです。


ラベルにあたる部分の拡大。もちろん焼き付けになっています。


グラスに注いでみると…うわー、これすごいよ…素晴らしく甘い香りです。なんとなく嗅いだ記憶があるのですが、おそらく原酒のシングルモルトの記憶なんだろうなぁ。すぐに出てこないのがもどかしいです…。フレーバーも、独特の甘みを感じつつも、しっかりした感じもあり、でもまろやかで、口の中で水と混ぜると微かにスモーキー。「なんじゃこりゃ!?」と言うほど美味いです。すごいわぁ、これ。ブレンデッドでこんな感じはなかなかありません。(ブレンデッドは低価格帯のものばかり飲んでいるせいでしょうけど。)
ベル・デキャンタもいろいろなバージョンや記念ボトルがあります。が、これは一昔前によく見られたボトルで、終売品と思われます。流通の早いショップでは既に手に入らず、ある意味、貴重品と言えます。実際、古いボトルのようで、開ける時にコルクがちぎれてしまいました。まぁ、在庫処分品ということで安く買ったので、仕方のない事ではあります。


古いボトルだと書きましたが、今のデザインではないこのボトルこそ、実は私が長いことあこがれていたボトルなのです。
二十代の頃の話ですが、その頃よく一緒に飲みに行った先輩(当時30歳くらい)がいまして、この方のおかげでお酒を飲むことが楽しいと思うようになったのです。人生のウンチクやらお酒のウンチクやらいろいろ聞き、いろいろ語りました。もう一人別の先輩と三人で良く飲みに行きましたが、それが楽しくてしょうがなかった時期がありました。そういえば先輩が40歳で結婚してから何年たったかなぁ?…そんな先輩に、ある時聞いたのです。
   ど「今まで飲んだお酒で、一番美味しかったのは何ていうお酒ですか?」
   先「うん、ベル・デキャンタかな。」
…それ以来、ベル・デキャンタが一つの目標になりました。最初にあこがれたミュージシャンみたいなものでしょうか。『いつかはベル・デキャンタを飲んでみたい』と思いながらも手が届かず、せめて、と普及価格帯のベルを良く飲んでいました。「世界の名酒事典」のような本を見る時、真っ先にベルを探していた時期もあります。
その頃はまだ実家に住んでいましたが、飼っていた犬の名前がまた「ベル」でした。名付けたのは私です。彼は小心者で、あまり人に慣れなくて、そのために誰彼見境無く良く吠えるので、呼び鈴の代わりになる、ということで「ベル」にしました。テリア系の長い毛の雑種。けっこう長生きしたっけなぁ、ベル。(「レインボー戦隊ロビン」のベルとは関わりありません。)


ベル・デキャンタのおかげで、いろいろな事を思い出しました。時の流れが、ここにもあるなぁ。思い出すきっかけをくれた鈴木さん…鈴木愛理さんに、お誕生日おめでとうと一緒に、感謝を捧げます。ありがとう。