月見

今日は中秋の名月。いわゆるお月見です。先ほど、雲の間からどうにか月を見ることができました。
写真を撮るほどのお天気でも、また気力もないので、昼間食べた月見うどんが今夜のブログのネタです。

よくあるアルミ箔の鍋を直接火にかける商品(カップうどんより手間はかかりますが、このタイプの方がずっと美味いです)で、元は「きつねうどん」です。今日はお月見なので卵を落として月見にしてみました。


さて、「中秋の名月」(ちゅうしゅうのめいげつ)とよく言いますが、「中秋」とは何でしょう?古来、『月を愛でるには秋が良い』とされて来ましたが、秋である旧暦7月〜9月の真ん中、8月15日の月を「中秋の名月」と言うのです。もしあなたの部屋のカレンダーに旧暦が書いてあったら見てみて下さい。今日は「旧8月15日」と書いていませんか?
『あれっ?お月見って9月じゃなかった?』って思うかも知れません。たしかに旧8月15日は9月にあることが多いです。が、旧暦と新暦のズレの関係で、およそ3年に一度「うるう月(閏月)」が入ります。今年は旧5月のあとにこの閏月(閏5月といいます)が入るので、旧8月15日は10月までずれ込んだのです。
もう一つうんちくを。「十五夜」の月って、満月とは限らないんです。十五夜とは、「旧暦15日の夜」という意味です。つまり、「旧暦1日から15日目」ということですが、この数え初めの「旧暦1日」とは、「新月になる瞬間を含む日」のこと。この「新月」(「朔」ともいいます)とは、「月が太陽の(黄道座標での)真北または真南を通過する瞬間」のことです。そして、「新月」から「満月(望)ともいいますまでは(およそ)14.8日で、15日ではないのです。そのため、「旧暦15日」と「満月になる瞬間を含む日」とは必ずしも一致しないのです。ちなみに今月の満月は明日、4日の15時10分です。


天文マニアとして言わせてもらうと、満月ってつまんないんですよね。まず、月を見ても、太陽光が正面から当たっているのでクレーターが見えません。次に、満月の光が明るすぎて、星が見えません。普通の天文マニアにとって、満月の前後は「活動を一休みする時期」なのです。
でも、面白い事もあります。満月といっても実は少しだけ「太陽の真反対」とはずれています。(ずれていないと月食になるはずです。)この、わずかなずれによって、月の縁にわずかにクレーターが見えるのです。しかも、月の微妙な首振り運動によって、見えたり見えなかったりするギリギリの部分です。いやぁ、やっぱり、見えるか見えないかっていうのが一番ドキドキするんですよね(笑)。
この月の縁の東端(向かって左下)に、「東の海(オリエント海)」という巨大な三重構造のクレーターがあります。望遠鏡でこれを初めて見たときはうれしかったですね。下の方に「かぐや」による動画を貼っておきます。


月を周回したルナ・オービター4号が撮影した「東の海」です。


こちらは「かぐや」による月の縁の「オリエント海」です。


オマケです。お暇な方、「望遠鏡で見た月面」をどうぞ。地球の空気のゆらゆらが、ライブ感を感じさせます。