今夜の一杯「Tormore」

ここしばらく続いていた、シングルモルトを巡るスペイサイドの旅ですが、最終回は「トーモア12年」です。

アロマ、最初の印象はハチミツ、かすかにシェリー。しばらくするとナッツのような感じも出てきます。フレーバーは、ドライでスパイシー。底にピート感。フルーツというよりはドライフルーツ。切れが良いのですが、フィニッシュは長く、チェイサーの水もとても美味しく感じます。


ラベルは青。こういう色はモルトでは珍しいです。「THE PEARL OF SPEYSIDE」、「スペイサイドの真珠」という異名が書いてあります。


トーモア蒸留所の歴史は比較的新しく、20世紀に入ってからできた最初の蒸留所だそうです。とはいえ、私と同じような生まれ年だったりして、一方的に親しみを感じます。トーモアとは、ゲール語で「大きな丘」。建物は元々貴族の屋敷で、たくさんの美術品を所蔵しており、美術展の入場料も収入源の一つだということです。


次回からはハイランドのモルトを取り上げる予定です。実は、スペイサイドというのはハイランドの中の特定の地域(スペイ川沿岸)なのです。ハイランドモルトとは『ハイランドの中でもスペイサイド意外の地域のモルト』というのが一般的な区分です。(ややこしい事に、「スペイサイド」という名前の、ハイランドに属するモルトもあります。)繊細なスペイサイドモルトに比べ、個性的なモルトが多いといわれるハイランドですので、スペイサイドとはまた違う意味で、大いに期待しています。