今夜の一杯“ワイルドターキー8年11ヶ月”

ミニ樽で自家熟成したバーボン。いよいよテイスティングしてみました。
比較のため、自家熟成前のバーボン「ワイルドターキー8年」と平行してテイスティングしてみます。よく調べたら自家熟成は11ヶ月間でしたので、「ワイルドターキー8年11ヶ月」です。あと半月我慢したらちょうど1年だったのですが…。

【左:8年  右:8年11ヶ月】

ボトルを横から見ると色の違いがいっそう良くわかります。


ワイルドターキー8年

  • 色  琥珀色。やや薄い紅茶。
  • 香り バニラ。加水するとりんごジャム。
  • 味  甘みとコシの強さ。(アルコール分50.5度です。)加水しても甘みが残る。


ワイルドターキー8年11ヶ月(自家熟成)

  • 色  濃赤色。濃いウーロン茶か麺つゆ。
  • 香り 素晴らしく香り高い。黒糖かメイプルシロップ。加水すると薄れる。
  • 味  甘い香りに似合わず、辛口。樽の味。渋味が残る。加水すると印象が薄れる。


自家熟成を経た「ワイルドターキー8年11ヶ月」、最初に香りを嗅いだとき、素晴らしく甘い香りに驚きました。これはもしかして、とんでもない傑作ができたのかな、とも思いました。しかし、甘い香りに似合うだけの味や強さがなく(特に甘みが不足)、あえて辛口に言えば「香りと味のバランスが悪い」という事になります。こういう出来映えでは間違いなく製品化はされないでしょう。しかしながら、だからこそ、間違いなく「世界に一つだけのバーボン」だという事になります。500cc足らずの“とっておきのバーボン”、味わってみたい方はどうぞ泊まりで遊びに来てください。

これと同じ物はもう一度作れるでしょうか?答えは“No”です。樽から出る成分は1回目(今回)が一番多く、2回目、3回目となるにつれて減ってきます。それに、おそらくは今年の暑さが樽の呼吸を促進させ、天使の分け前と引き替えに、特別に濃密な香りをつけたと思われます。また1年、我慢できたとして、出来上がったバーボンは今回のものよりはマイルドになっているでしょう。もしかしたら今よりもバランスの良いものができあがっているかもしれませんが、結果はできあがってみないとわかりません。その、わからないところが、また楽しみだったりするんですよねw


今回はテイスティングの比較用という事で脇役でしたけど、「ワイルドターキー8年」は、50.5度というコシの強さだけでなく、素晴らしいバランスを持っているバーボンです。今回、それを再認識できたのも一つの成果です。私はこんなスゴイヤツを樽詰め用(あえて味を変える元の材料)にしていたのか…と、自分でもあきれています。
では最後に、「ワイルドターキー8年」のラベルです。