台風一過と大災害

台風一過の青空には、実は魔物が隠れている…そんな気がします。


いま、2001年のことを思い出しています。9月11日、台風15号が、ちょうど茨城県の真上を駆け抜けていきました。職場の真上あたりを通過したようで、風雨が強く、鉄製の新聞受け箱(たぶん鉄骨組・外装も鉄板・一部パンチングメタル)が強風を受けて10数メートル転がって行きました。
夕方には通過して静かになり、当時住んでいた住宅に帰宅、普通の夕食を摂っていました。当時の人気番組「プロジェクトX」では、この夜は姫路城再建の話。心柱(しんばしら)の秘密など、実に興味深いものでした。
ところが続いてニュース「NHKニュース10」になると気持ちが一転するような映像が映りました。ニューヨークで炎上する世界貿易センタービルの映像でした。あっけにとられてしまい、そのまま見ていると、2機めの突入を生映像で見てしまいました…。『世界は終わりかもしれない…』という悲観的な気持ちになりました。


1981年の竜ヶ崎水害。水没地区に住んでいた友人がいました。実家からニュースを見て電話があったそうです。(以下、聞いた話に基づく再現会話です…)
  母上「あんたんとこ、浸水してるんじゃないの?」
  友人「うそでしょー。晴れてるよー。」(のほほん)
ところが外に出てみるとそれどころじゃない騒ぎ…。既に水がすぐそこまで迫っていました。
大きな河川の下流では、雨が止んだ頃に上流で降った水が一気に押し寄せるのです。このタイムラグが住民を油断させます。自分のところでは、へたすりゃ一滴も降っていないのに、結果は床上浸水…。
「天災は忘れた頃にやってくる」とはよく言ったもので、本当に気がつかないうちに、すぐ後ろまで忍び寄っているみたいです。
そんなわけで、平野部に住んでいる皆さん、皆さんの住んでいる平野って、たぶん大洪水の後の堆積物でできていると思います。なので、何千年かに一度は必ず大洪水が起こると見て間違いないでしょう。ただし自分の生きているうちに当たるかどうかはわからないんですけどね…。


いささか不謹慎に感じられるかもしれない話。
以前、大島だか新島だかの、噴火で全島避難しているニュースを見ながらの、友人Aとの会話。
  A「島ができた原因考えたら、こんなところに住んじゃダメじゃん…」
あっ…もちろんプライベートなトークですよ。放送で有識者がこれ言ったら、即、炎上ですよね。
その瞬間、黙っていたけど実はAさんにツッコミたかったのです。
  心「そんなん言うけど、アンタよりによって東京に住んでるじゃん!」って。
つまり、(ざっくりですけど)100年に一度は大地震が起きる場所に住んでる人が、噴火の危険のある場所に住んでる人のことは言えねーよなー…と言いたかったのです。
もっと大きなこと言うと、日本に住んでりゃ似たようなもの。さらに大きく言うと、地球からは逃げられません。その逃げられない場所で、どこにいてどんな暮らしをしていれば被害が最小限度にすむのか、それを考えつつ暮らさないといけないなぁ、と思うのです。