ピンホールと老眼鏡

明日の金環食に備え、急きょ準備しています。


ピンホールボックス(針穴写真機ともいいます)を作ってみました。手近にあったティッシュの空き箱を使いました。とても簡単なので、真似して作ってみてください。ただ、晴れないとダメなんだよなぁ。影ができる程度の日差しがないと。


道具と材料。のりを画面に入れるのを忘れました。

ティッシュの空き箱、ガムテープ、白い紙、カッター、のり、針。


まず、ボックスに「のぞき穴」を開けます。私は切る長さが最も少なくなるように作りましたが、お好きな形にどうぞ。


ティッシュの空き箱ですから、透明テープの部分があります。そこをガムテープでふさぎます。他の空き箱だったらこの作業は不要です。


スクリーンになる底面(窓を開けた中の部分)に、白い紙を貼ります。


上部に、針で穴を開けます。これがレンズの代わりになります。


とりあえず、0.6mmくらいの穴にしてみました。

穴が小さい方がシャープな像になりますが、大きい方が明るい像になります。


早速、太陽を投影してみました。

1mmくらいの、極小の太陽像が映ります。


これ、『穴が丸いからじゃないの?』って思いますよね?そうじゃなくて、光源の太陽が丸いから、像も丸く映るんだよ…って事を説明できる機会は、日食しかないんですよね…。あ、部屋のリング型蛍光灯を写すと、ちゃんとリングの形が映ります。


昨日、良く晴れたので、急きょ思いつきました。最初は『ピンホールは…今回はフィルター作るから、いいや』と思っていたのですが、土曜日の天気では『これは…この天気ならピンホール作らなきゃ』と思った次第です。


さて、そうこうするうちにだんだん雲が濃くなってきました。雲が濃くてはピンホール方式は使えません。強烈な太陽光線をうまく弱めて投影するのがピンホールなのです。これは…逆に、光を強めて投影する方法を探さないと…。(それでも、完全に曇っちゃったらどうしようもないんですけどね…)
そこで思い出したのが老眼鏡。100円ショップでも売っています。実は最近、CDの歌詞カードの文字を読むのがつらくなってきて、時々使っています。その老眼鏡、つまり凸レンズを使って、太陽を投影してみました。火の用心のため、紙でなくコンクリートに直接、投影しています。


ピントが合っていない常態。像はまだメガネレンズの形になっています。


ピントが合うと、丸い太陽像を結びます。これなら十分明るいぞ!


【注意】
焦点距離の短いレンズは使わないこと。スクリーンが燃えます。100円ショップで買う時は、一番度の弱い+1.0のものにしてください。度の強いものだと、火災の危険があります。
老眼鏡の強さはディオプトリー(レンズの焦点距離の逆数)で表します。+1.0だと焦点距離1000mm、つまり1mです。太陽の視直径は角度の30'で、焦点距離の1/100の大きさの像になります。つまり、+1.0の老眼鏡で投影すると、直径10mmの太陽像を結ぶのです。


この方式なら、薄曇りでもなんとかなるかなぁ…。とはいえ、影もできないほどの雲になるとこの方式もダメ。全てはお天気次第です。