最近、レンタルDVDで、昔々の特撮作品「ウルトラQ」を見ています*1。円谷プロの、いわゆる「ウルトラシリーズ」の第1作。当時、小学校低学年だった私は、テレビで毎週楽しみに見ていました。当時はまだ白黒テレビが当たり前で、これも全28話モノクロ作品です。
オープニング。墨流しのような渦巻き模様が、印象的な効果音とともに「ウルトラQ」の文字に。フィルムを逆廻しで使っていたようです。当時はこれが不思議で不思議で、ココアに牛乳を入れては『ウルトラQみたいにならないかな』と、かき混ぜていたものです。
「これから30分、あなたの目はあなたの身体を離れて、アンバランス・ゾーンに迷い込みます」と、石坂浩二のナレーションで始まります(これがない回や、エンディングの場合もあります)。これがまた不気味で、テーマ曲と併せて独特の雰囲気を作りだしています。
↓テーマ曲。聴いてみて下さい。
この放送から40年以上たち、特撮や設定など、今見るといろいろツッコミどころがあります。が、当時の技術で毎週これを放映していたのですから、かなりすごい事です。そして、再放送もひととおり見ていたはずなのですが、なにぶん低学年の頃のこと、ほとんど記憶も薄れていまして、おかげで『こんなシーンもあったんだ!』と、見ていると実に新鮮な感じです。しかも、放映リストをわざと見ないようにしているので、次に何の巻かわからない…と、これまたお楽しみなのです。
また、古い作品にはよくある事ですが、あとで名が売れる俳優の若い頃の姿が見られるのも楽しみの一つです。ウルトラシリーズでいうと、「ウルトラマン」の科学特捜隊の、フジ隊員役の桜井浩子はレギュラーですし、ハヤタ隊員やイデ隊員も脇役で出てきます。
撮影の背景や小物も時代を反映していて面白いです。東京の街並みなどは60年代そのものですし、出てくる車も古く、メガネもみんな黒縁です。一眼レフカメラは、ミノルタ、ヤシカ*2、ペンタックス、ニコンなどを確認しています。さらには、現在なら「ピー」が入る言葉もいろいろあり、時代を感じさせます(笑)。
巨大怪獣ものの代表「ペギラ」。苔から取った「ペギミンH」*3に弱い。この「ペギラが来た!」のソノシート*4持っていたっけ。
ウルトラQには、巨大怪獣ものだけでなく、子供の夢や空想の世界をアレンジしたものがあります。シュールな絵の作りだったり、軽快な音楽だったり、後の特撮にさまざまな影響を与えています。今日見た「育てよカメ」もそうで、これは早い話が夢オチなんですけどね。音楽はのちの「快獣ブースカ」(これも円谷プロ作品)にも使われているようです。時折、こういうメルヘン的なテイストをはさむのも、良いアクセントになっていました。
また、脚本によりますが、さまざまなメッセージ性も含まれています*5。大自然への畏怖はもちろんの事、人の心の弱さ、社会風刺、また異端な者や虐げられた者からの視線、等々…。知らず知らず、いろいろな事を考えさせられていたように思います。
プラモデル…ソフビ人形…怪獣がついたノートや下敷き…いろんな思い出をたどりながら、このシリーズを見ていこうと思います。