Martin OM-42PS

わが家一番の「お宝ギター」を紹介します。この「OM-42PS」は、ポール・サイモンがプロデュースし、マーティン社から1997年に発売されたギターです。


細身のネックは弾きやすいです。ポジションマークは、スノーフレイクス、スロッテド・ダイヤモンド、キャッツアイと、かなり凝っています。


ボディはやや小ぶりのOMタイプ。しずく型の小さめなピックガードがOMの目印です。


22フレットにはポール・サイモンのサインをデザインしたインレイ。そしてボディ内部のラベルには、本人直筆のサインがあります!(その下にはマーチン社CEOのマーチン氏のサインも。)さらに限定生産を示すシリアルナンバーが「*** of 500」とあり、500本限定生産された事を示しています。でも実際には200数十本(223本らしい)しか生産されなかったそうです。材質を厳選しすぎたためなのか、それとも価格設定が高すぎたせいなのか、真相はわかりません。


このギター、1997年に市場に出ました。当時の定価で120万円でしたので、『買えるわけないよなー』とずっと思っていました。当時は、ギターの中古市場についても知りませんでしたし、まだインターネットに接続してもいませんでした。
数年後、事情が変わりました。ふと思い立ったのです。「今年で42かぁ。厄除けに(笑)何か買おうかなぁ。オレ、イニシャルOMだし、今年42だし…。そういえば、あのギター、中古ないかなぁ?」と、ネットで探し始めたのです。数ヶ月後のことですが、あるギター屋さんの「近日入荷予定」のところについに見つけました。価格は定価の半額程度。すぐにメールを出して仮予約(holdといいます)しました。そして次の日曜日、早速お茶の水のギター屋さんに出向き、現物を試奏。まぁ試奏するまでもなく、購入するのは決定していたのですけどね。
ギター屋さんで聞いた話では、前の持ち主もやはりポール・サイモン大好きで、でも結婚するために泣く泣くギターを手放す事になったとか。いやいや、これを聞いたときは『独身で良かった』と思いましたよ、ホント。
そんなこんなでわが家の一員になったギターですが、かわいそうな事に、大事にしすぎてあまり弾いていないんですよね。いかんなぁ。今回もサイモン&ガーファンクル来日のおかげで思い出したわけで、コンサートがなかったらまたしばらく眠っていたかもしれません。
さて、コンサートといえば、先日の東京ドームでポール・サイモンがメインで使っていたのが、実はこのギターなのです。ポールが、自分自身で気に入るように、弾きやすいようにプロデュースしたわけですから、まぁ当然といえば当然かもしれません。双眼鏡でずっと「観察」していたのですが、時折、照明に照らされて、ギターのバインディング(ボディのふちどりの部分)の装飾の貝(こんなところにまで貝を使っているのは高いギターです)がキラリと光るのが印象的でした。


さて、今夜はもう少しこのギターを弾いてやるか…。