ゴジラ

怪獣映画の元祖・「ゴジラ」を見ました。某「ネットでレンタル」のところで借りました。


1954年(もちろん私も生まれていません)公開のモノクロ作品。ある意味モノクロならではの重厚さがあり、内容の重さと相まって、非常に見応えのある作品です。
作品全体を通し、当時の世相が色濃く反映されています。米ソの水爆実験は1952年に始まりましたが、1954年にはビキニ環礁での水爆実験の折り、日本のマグロ漁船第五福竜丸死の灰を浴び、半年後に乗組員が死亡するという事件がありました。これらを背景とし、ゴジラは「戦争」「核兵器」「暴力」の象徴として描かれています。そして、暴力に対抗するにはやはり暴力しかないことに苦悩する科学者…これは憲法により戦力不保持のはずがやはり持たざるを得ないという国の事情とも重なります。ちなみに、警察予備隊から始まる組織が自衛隊になったのも1954年です。
特撮ですが、実によくできています。1950年代の東京の街並み、特に銀座などはリアルです。当時は路面電車が多かったのでしょう、あえて格子型の電線ごしにゴジラを撮っているあたりが、往事を偲ばせます。
忘れてはいけないのが伊福部昭の音楽です。ゴジラ出現の時の重々しい管の音、自衛隊出動の勇ましさと悲哀が混じったようなメロディ、これも東宝特撮映画の大きな魅力の一つです。
俳優陣は、志村喬宝田明河内桃子平田昭彦などが出演。また、菅井きんも婦人議員役で出演していますが、さすがに若いw
考証で気になることがありました。ジュラ紀から白亜紀に入るあたり(約1億3000万年前)を「200万年前」と言っていましたが、これは当時の定説だったのでしょうか?


まぁこんな感じで、いろいろ調べながら、古い映画を見るというのもなかなか楽しい事です。