ふたご座流星群、明日極大!

テレビのニュースなどでも取り上げられていますが、ふたご座流星群が明日の夜に極大を迎えます。今年は新月直前で月が邪魔にならず、たいへん観測条件が良い年です。それに、この群の放射点*1は一晩中空の高いところにあるので、一晩中条件良く見ることができます。
下の図は、空の広い範囲を描いています。中央上部の「×」印は天頂(頭の真上)、下部の方位が書いてある部分が地平線です。目盛りは角度の10度。地平線から90度上が天頂ですね。宵のうちから明け方まで、放射点の高度がずっと高いことがわかります。


ふたご座流星群放射点の方位角・高度の変化
(2009年12月13〜14日)

12月13日21時、放射点は、方位:東北東、仰角:34度付近。


12月14日00時、放射点は、方位:東、仰角:70度付近。


12月14日03時、放射点は、方位:西、仰角:73度付近。

図で「ふたご座流星群」と書いた左肩の「X」のところが「放射点」です。放射点とは、流星を逆にたどってみると、この点から出たように見える、という天球上の仮想の点です。今回の流星群は、この放射点がふたご座にあるので「ふたご座流星群」と呼ばれています。ふたご座流星群という名前ですが、ふたご座にだけ飛ぶわけではありません。ここ、誤解しないでいただきたい点です。
また、昨年の8月に書いた流星を見るときのコツを参考にしてください。*2


8月の「ペルセウス座流星群」と、この12月の「ふたご座流星群」が、毎年必ず見られる二大流星群と言えるでしょう。HR(1時間当たり流星数)は極大の夜で50〜60程度。大まかに言って1分に1個程度の流星が見られるでしょう。ただし、次のような理想的な条件の場合です。

  • 流星群の放射点が天頂にあること
  • 肉眼で6.5等星まで見える星空であること
  • 快晴で全天見ることができること
  • 全天に流れる流星を捕らえることができること

というわけで、例えば空が半分しか見られない場所なら、見られる数は半分ですし、肉眼で星座の星が良く見えないようですと、さらに減ります。でも、たとえ都会に住んでいても、冬の夜空はけっこう星が見えるものです。寒いですけど、ちょっと夜空を見てみませんか?


  ※ 図の作成には「Stella Navigator ver.5」(アストロアーツ)を使用しました。

*1:輻射点」ともいう。学術用語としては「放射点」が正しいが、「輻射点」も長いこと用いられてきたので、ある年代以上の天文愛好者は「輻射点」という場合が多い。

*2:この文章、10月のオリオン座流星群の時のコピペです(笑)。