彗星観測

久しぶりに彗星観測をしました。
帰宅後、食事をしながらパソコンで観測用星図を作成し、食後すぐに観測。31cmドブソニアンを組み立てて、144P(串田彗星)とC/2006OF2(ブロートン彗星)を観測しました。

  • 串田彗星は、9.5等、視直径3.3'。大きく広がった、淡い光芒です。
  • ブロートン彗星は、11.5等、視直径0.9'。小さく、ぼんやりした光のかたまりです。

どちらも、「明るい!」とか「美しい!」とか「派手!」なんていう形容詞とは正反対の、そこにあるかないか、ギリギリ程度の存在感です。『だが、それが良い!』と私は思っています。これ、暗い天体が好きな人の、マニアックな感覚かなぁw


もう一つ、こちらは最近ニュースでも話題になっている、C/2007N3(ルーリン彗星)を、7×50双眼鏡で観測しました。5.8等、視直径15'。月の半分くらいの大きさになり、なかなか立派な姿です。(これを「立派」と感じるのはマニアだからでしょうねw)一応、話題にはなっていますが、空の暗い場所で、しかも双眼鏡がないと観測できないでしょう。
これらの観測データは、彗星観測専用のメーリングリストに報告します。すると、まとめ役の人がICQ(The International Comet Quarterly=「国際彗星季報」)に報告してくれます。つたないデータではありますが、一応、世界に発信されることになります。以下、参考までに今夜の観測報告データを貼っておきます。


IIIYYYYMnL YYYY MM DD.DD eM/mm.m:r AAA.ATF/xxxx /dd.ddnDC /t.ttmANG ICQ XX*OBSxx
彗星ノ記号 観 測 日 時   光度  口径と倍率 視直径 DC 尾のデータ   観測者コード

144P (Kushida)
IIIYYYYMnL YYYY MM DD.DD eM/mm.m:r AAA.ATF/xxxx /dd.ddnDC /t.ttmANG ICQ XX*OBSxx
144 2009 02 18.52 xS 9.5 TJ 31.7L 6 63 3.3 2/ ICQ XX *****

C/2006OF2 (Broughton)
IIIYYYYMnL YYYY MM DD.DD eM/mm.m:r AAA.ATF/xxxx /dd.ddnDC /t.ttmANG ICQ XX*OBSxx
2006OF2 2009 02 18.53 xS 11.5 HS 31.7L 6 146 0.9 3/ ICQ XX *****

C/2007 N3 (Lulin)
IIIYYYYMnL YYYY MM DD.DD eM/mm.m:r AAA.ATF/xxxx /dd.ddnDC /t.ttmANG ICQ XX*OBSxx
2007N3 2009 02 18.62 xS 5.8 HV 5.0B 7 15 5 ICQ XX *****

ICQフォーマットとは

余談ですが、1996年に観測したある彗星で、私の報告した光度が世界の誰よりも暗い傾向があり、とある研究者から「世界一暗い男」と呼ばれた事がありますw あ、要するに、誤差が大きいってことで、恥ずかしい話です。決して自慢話じゃありませんので…w


2月…春は近づいて来ましたけど、まだまだ寒いですねぇ。こんな夜に外に出て星を見ているんですから、まぁ、物好きですよね。でも『何かが好き』という感覚は、この先も大切にしていきたいと思います。