今日の夕方、南西の空に非常に細い月が見えていました。気づいた方はいますか?
明日はもう少し月が太くなり、また金星に接近するので、非常に美しいながめになるはずです。晴れていたら、夕方の南西の空をご覧下さい。17時〜18時頃が見頃で、移り変わっていく夕焼けの色を楽しみながら、月と金星の動きを観察するチャンスです。
今日はこんな感じでした。茨城県南部(東京でもあまり変わりません)でのシミュレーション。下部の方位が書いてあるところが地平線で、10度ごとに目盛りをふってあります。
明日はこんな感じに見えます。30分おきのシミュレーションです。
また、同じ時刻でも、場所によって違いがあります。
東京での、今日・明日・明後日の「月と金星」。
※ ここまでの図の作成には「Stella Navigator ver.5」(アストロアーツ)を使用しました。
肉眼で見ても十分楽しめますが…。
双眼鏡をお持ちの方は「通常の3倍」くらい楽しめるはず。双眼鏡の性能試験も兼ねて、月と金星をながめてみてください。観察ポイントは…
- 月の両極がどんなふうに見えるか。単にとがっているだけか、切れ切れに見えたりするか?極地方に高い山があったりすると、太陽の光が高いところにだけ当たって、星のように見えることがあります。
- 月の欠けぎわ。でこぼこに見えると思いますが、クレーターまで確認できるでしょうか?
- 「地球照」。これは、太陽の当たっていない月の部分が、薄明るく見える現象です。満月の夜に夜道が明るいのと同じで、地球が月を照らしているのです。これは双眼鏡がないと見つけにくい現象です。
以下、「双眼鏡の試験」編。
- 月や金星を、双眼鏡の視野の端に移動させていくと、像が次第に崩れてくると思います。どこまで使用に耐えるか。これ、実はかなりシビアなテストでして、普通は、視野の半径で60%までちゃんとしていれば良い方です。
- 金星のような明るい光源を視野の端に置いたときの、ゴーストの出方。多くの光学製品は、視野の中心をはさんだ反対側に、薄明るい像が出現します。これを「ゴースト」といいます。レンズの構成・枚数、内部の艶消しの善し悪し、等々によってさまざまなゴーストが出てしまいます。もちろんゴーストが出ないのが理想ですが、まずどんな優秀な光学系でもゴーストは出るものです。なので、逆に、自分の双眼鏡はどんなゴーストが出るか、それを楽しむのもまた一興、くらいの気持ちで見ましょう。
…とまぁ、こんなところでしょうか。
明日、晴れると良いですね。楽しみです。