しし座流星群

今夜は「しし座流星群」極大の夜です。いろいろな予報が出ていますが、多いものでは1時間に500個という予報もあります。マスコミに出るのは、この「1時間に○○個」という単語なんですけど、実はこれ、科学的にかなり条件づけられた数字です。というのは、こういう数字はだいたいにおいて「ZHR」(天頂出現数)という予報数値なんですね。ZHRとは何かというと、次のような理想的な状況での出現予想数です。

  • 流星群の放射点輻射点ともいう)が天頂にあること
  • 肉眼で6.5等星まで見える星空であること
  • 快晴で全天見ることができること
  • 全天に流れる流星を捕らえることができること

…ということは、予報が当たったとしても、まずZHRとおりの数にはなりません。放射点が天頂に来ることはありませんし、さらに、6.5等星まで見える夜空は、現在の日本ではなかなかありません。さらに(今夜は特に問題ですが)、雲がなくて完璧に晴れている場合、です。
そんなわけで、今夜のしし座流星群も、間違って晴れても500個は見られないと思います。もちろん、予想が多い方にはずれる場合もありますので、一応、起きていようと思っています。先輩(OZさん)も見に来るし。いや、今夜は半分以上、飲みに来るつもりじゃないかと思っていますけど…。


さて、今夜のしし座流星群ですが、放射点(=輻射点)は、夜遅くなるほど、明け方に向かって高くなっていきます。つまり、明け方の方がたくさん流星が見られるという事です。(日本も広いので、地方によって、実際は若干異なります。)
11月18日、午前02時の輻射点(茨城県南部)


11月18日、午前04時の輻射点(茨城県南部)


…というわけで、間違って晴れたら、明け方の空を見てみて下さい。もしかすると、予報が良い方に外れて、すごい数の流星が見えるかもしれません。2001年11月のしし座流星群はすごかったです。ピーク時には1秒に1個以上飛んでいたような感覚があります。舞美ちゃんだったか、家族で出かけてたくさん流れ星を見たことがある、って言っていたのは、たぶんこの時のことでしょう。
今回は、予想される「流星の素」(過去の彗星がまき散らした流星物質)の軌道が、やや古い時点(1466年)のものですので、予報もドンピシャとはいかないでしょう。それよりも、晴れ間があるかどうかの方が、今は気がかりです。