スパムとは、大量かつ無差別に送られてくる電子メールの事です。（転じて、ネット上での迷惑行為全般を指すこともあるようです。）
いろんなスパムがありますが、強度の天文マニアの私としましては、「スーパームーン」こそスパムです。ほら、「スーパームーン」って略すとちょうど「スパム」でしょ（笑）。
毎度毎度、近地点付近の満月になるたびに繰り返される単語なんですけど、定義づけがはっきりしていない割に、判で押したようにネットニュースで話題にする（したがる？）んですよね。目で見てもどうせ見分けなんかつかないのに…。でも、キャッチーな言葉を獲得した事で、毎回毎回ネットニュースのネタになるようになってしまいました。
今日はアメリカで皆既月食が見られたのですが、これがたまたま近地点付近の大きな満月だったんですね。この時期の満月は、アメリカインディアンの暦で「ウルフ･ムーン」と言うそうですが、皆既月食の血のような赤い色と相まって、「スーパー・ブラッド・ウルフムーン」と言うのだそうです。
ここまでなら、勝手に騒いでろ…で済むんですけど、各ネットニュース記者の不勉強が目立つので、勝手にイラッとしている次第です。
例えばこんな恥ずかしい文章が見出しになっています。
何が恥ずかしいって？最初の文は２カ所、あとの文にもあります。
- 「出現」って表現はどうなんだろう？全く新しい天体、あるいは全く別物に見えるものが出てきたのなら出現でも良いけど…。もちろん、スーパーなんちゃらは、月の出の事じゃありません。
- 「満月と皆既月食のコラボ」、これ最高に恥ずかしい。月食が見られる時は満月に決まっている（限られている）から、コラボも何も…それ、当たり前ですから。
- あとの文、スーパームーンの何を「観測」するのかなぁ？聞いたことがないけど…。例えば月の視直径をマイクロメーターで測る？（意味ねー）これは、天体を見るといえば「天体観測」という単語がお決まりのようにあるから…なのでしょうね。あ、これは何かを測定して何かしらのデータを（多くの場合は数値として）記録する事を「観測」と呼んでいる立場の人間からの違和感です。（例えアマチュアだとしても。）普通の人は感じない違和感だから、まぁ…しょうがないのかなぁ…？？？
…と、文句ばっかり言いましたけど、今宵の月はきれいでした。撮影もしましたけど、これは「観測」じゃありませんね。
追記。ニュースサイトは文章が不勉強なのもさることながら、使われている写真がどっかよそのサイトのパクリだったり、あからさまな合成写真だったりする事がよくあります。ひどい時には、合成写真をまたパクっていたり…（泣）。
