幻月環など

ここのところ珍しい気象光学現象に巡り会っています。


1月28日、茨城空港を飛び立ってすぐ、左後方の太陽のすぐ下に、縦長の光点が見えました。これ「映日」(えいじつ)と言う現象だそうです。空気中の氷の粒がプリズムの役目をして…とのことです。地上風景はまだ先週の雪が溶けきらない、半・銀世界で気温も低い状況でした。

太陽より上方は、そもそも氷の粒もない(空気も薄い)ところなので、何も見えませんでした。


内暈と重なっているのは偶然。太陽高度の関係で重なりました。


1月31日、皆既月食の夜、庭のインターバルカメラに写ったものがありました。月を中心に楕円形に写っているのは、よくある内暈(月の暈)です。魚眼レンズの特性により、本来円形のものが楕円形に投影されています。


下は部分拡大ですが、もう一つ、月を含む楕円形がわかりますか?


この赤く示した楕円形です。これが「幻月環」(げんげつかん)という珍しい現象です。

もう一度、二つ前の画像で探してみてください。


太陽の左右に、幻日(げんじつ)はたまに見られます。太陽と幻日を貫いて、太陽高度に水平に現れるのが「幻日環」(げんじつかん)。でも全周が見られるのは珍しいそうです。
これが太陽でなく月になると、かなりレアな現象です。幻日ではなく幻月(げんげつ)と呼称も変わり、環が見えれば幻月環、という事になります。気象光学現象に詳しい友人によると、幻月環が全周にわたって見えるのはかなりレアだそうです。月食(も含む全天)の写真を、薄曇りなのでやめようかとも思いましたが、「ダメ元」でも撮っていて良かったです。


2月1日の朝、出勤途中、信号待ちにて撮った「幻日」です。

幻日は、意識して探すとそこまで珍しいわけでもありません。虹よりも頻度が高いかも。


こういった現象が見えるのは楽しいものですが、空気中に水分や氷の粒が多いわけで、あまりお天気が良くない事を示しています。天体観測にはあんまり向かない天候の時です。でも、逆に言えば、どんな時でも空を楽しむことができるわけですね!