早朝寄席

久しぶりに、早朝寄席更新です。


今回は…

柳家ほたる    『たいこ腹』
春風亭一左    『宗論』
柳亭市江     『身投げ屋』
柳家右太楼    『三方一両損

でした。

ほたるさんのまくらは、兄弟子の「お披露目」の楽屋でいろいろ気を遣う、という話。特に、ある巨人ファンの大師匠のご機嫌が、巨人の試合結果次第なんだとか。ある時、巨人が勝った新聞をズラッと置いておいたら…大師匠がその新聞の上で足を滑らしてしまったとか…。
題目は、ほうかん(たいこもち)と若旦那の話。若旦那が暇つぶしに鍼(はり)をやってみよう、誰か打たせてくれる相手はいないかな…という、たいこもちとのやりとり。


一左さん、これは新作ですね。宗教にまつわるあれこれなので、聞く人が聞いたら…とか一瞬思いますけど、「お話」ということがわかる大人の人なら大丈夫。まくらで、早朝寄席がいかに早朝であるか…という話。そして、今日も150名以上のおはこびを…と言ってました。なるほど、このくらいで150人なのね、とわかった次第です。


市江さんは、両国橋から飛び込むふりをして、助けてくれた人からお金をせしめよう…という話。この話のキモは、だまそうとする方がだまされるってところでしょう。落語って、微妙に道徳的だったり哲学的だったりするところもあったりします。まくらで、手のひらを上に向けるのと下に向けるので、陽と陰を表すというのには、なるほどと思いました。笑いの中に、いろんな教養を得ることができますね。


右太楼さん、江戸っ子の、見栄っ張りと『宵越しの銭は持たない』という特性をデフォルメして面白くした話。最後に、有名な大岡裁きが出てきます。財布を拾った方と落とした方(どっちも気の短い江戸っ子の職人)の、「返す」「いらない」の意地の張り合いと、絶妙にからんでくる大家さん。まことに落語らしい落語です。


朝から笑うことができるって、たぶん、健康に良い…と思います。良かった、良かった。