今夜の一杯「Glenfiddich」

今夜の一杯は「グレンフィディック」です。初めて飲んだシングルモルトグレンフィディックだという人も多いのではないでしょうか。私もその一人だったりします。
なぜグレンフィディックが、シングルモルトで世界トップのシェアを持っているのか、というと、その先見性にあります。元々、シングルモルトはブレンデッドウィスキーの原料、という位置づけだったのですが、このグレンフィディックは1960年に「シングルモルト」として大々的に売り出したのです。業界では無謀だと言われたそうですが、着実に売り上げを伸ばしました。やはり世界は美味しいものをほうっておかなかったようです。

最近新しくなったラベル。前の方が貫禄があって好きだなぁ…。

ボトルは特徴のある三角柱の形。それぞれの辺に「火」「水」「土」という、ウィスキーを作る大事な三要素を表しています。同じような三角柱のボトルで「グランツ」というブレンデッドウィスキーがありますが、同じ会社「ウィリアム・グラント&サンズ」の製品です。また、先日紹介した「ザ・バルヴェニー」も同社の製品で、バルヴェニーグレンフィディックの蒸留所は隣り合っているのですが、仕込み水が違うため、かなり違う味わいになっています。
さて、グレンフィディック。色は、やや薄め、黄緑が混じったようなゴールドです。アロマは、フルーティというよりは麦っぽい感じの芳香です。フレーバーは、ライトですが麦っぽい美味しさで、少し時間をおいて甘くなってくる、という感じです。忘れた頃に感じるピート香も隠し味っぽくて良いですね。そして、余韻もかなり心地よいです。
グレンフィディックは飲んだことがあって、美味しいという印象はあったのです。その後、いろいろ飲み比べて来て少しは経験を積んで、そしてまた飲んでみたわけですが、やっぱりあらためて美味しいと感じますねぇ。経験を積んだことで、美味しさをより具体的な形で感じとることができるようになった気がします。
余談ですが、「グレン何々」というシングルモルトはたくさんあります。「グレン」というのはゲール語で「谷」という意味です。蒸留所が建つ条件として、清冽な水が絶対必要ですが、水が豊富な谷のような地形のところにできた蒸留所が多かったのでしょう。というわけで、しばらくの間、「グレン何々」シリーズを続けたいと思っています。


テイスティンググラスはダテじゃない!」
  ♪バーボン樽だとかブレンドだとか
  ♪言葉にあやつられちゃダメ!
  ♪自分に正直な印象が
  ♪すべてを物語る〜