冬の夜空、南の地平線にちょっとだけ顔を出す星、りゅうこつ座α・カノープスを見てきました。先日も書きましたが、この星、ほんのちょっとしか出てこないので、地平線まで開けていること、空も地上も良く晴れていることが見える条件になります。
昼間、非常に良いポイントを見つけましたので、下見のつもりで(でも一応カメラも持って)行ってきました。そしたら、あっさり見えちゃったんですよ。空の透明度はさほど良くもなかったんですけどね。あ、7×50双眼鏡は使いました。肉眼では…双眼鏡で位置をしっかり確認してから見ると、うーん、なんとか見えるかな、といった感じです。
南中時刻は22:35。その少し前に現場着。カノープスが沈んだのは23:27。かなり長い時間見えていました。上る時から見ていたら、2時間近く見えることになります。やはり標高を稼いで、俯角で地平線が低く見える分、有利になります。
こんな感じで、南の視界が開けています。フィッシュアイ10mmにて。超広角で、上の方に冬の大三角が写っています。
200mmにて。山の稜線のほんの少し上に、カノープス。
いつものように(笑)比較明合成。1時間15分、75コマの合成です。
さて、動画です。
動画その2。比較明動画。
撮影風景。真ん中におおいぬ座。シリウスが輝いています。右上にオリオン座の南半分。
撮影風景その2(笑)。もちろん、実際はこんなに明るくありません。ISO3200で30秒露出。
夜景も撮っておきましょう。地元の農村の夜景です。夜景なんてこのくらいで十分きれいです。あんまりゴテゴテ派手なのは必要ありません。
こんなふうに、カノープスを見るのには適した場所で、わが家から車で15分の近さ。(帰りは下りなので12分でした。)しかも、1時間以上いたのに、車が1台も通りませんでした。昨日の表筑波スカイラインとはえらい違いです。おかげさまで、実に静かな時間を過ごすことができました。ただ、背後の林から、ガサッ…ガサッ…と音がして、さらに、ギャー!ギャー!というナゾの獣だか鳥だかの鳴き声…!いや正直、ゾクッとしましたね。実はけっこうコワイ場所なのかもしれません…。
それでも天文屋にとっては十分良い場所です。でも、天体写真を撮る人にとって決定的に困るのは、『北極星が見えない』ってことです。赤道儀のセッティングができません…。固定撮影しかできないなぁ。または、方位磁針で簡易的に合わせるとか。おっと、ペンタックスのGPSユニットを使えば良いのか!!!
…と、次回の宿題ができました。今度はカノープスが出てから沈むまで、丸々2時間以上撮ろうっと。