アメリカンフットボール超入門 その1

今日はNFLの試合を見ながら書いています。今夜は、ピッツバーグ・スティーラーズワシントン・レッドスキンズ。伝統あるチーム同士の対決です。
さて、アメリカンフットボールについて聞くと、「ルールがわからない」と答えが返ってくることが多いようです。そこで「思いつき更新」ですが、ルールについて簡単な解説を書いてみます。題して「アメリカンフットボール超入門」。
全く興味ないよ〜、って方は今夜の更新は無視してください。
深夜、テレビを見ていて、あなたがたまたま合わせたチャンネルで、アメリカンフットボール中継を放映していたとします。もしも気が向いたら、『わからないからいいや』じゃなく、ぜひ何プレイか見てみてください。その時に少しでも楽しめるように、これから簡単なルール解説をします。もし良かったら、このブログを思い出して、ゲームを見てください。(あくまでも「超入門」なので、詳しくは書きません)
まず、画面に出ているゴツイ男達は、何を目指してぶつかり合ったり、走ったりして、動き回っているのでしょうか?スポーツだから得点で競うんでしょうけど、どうしたら得点できるのでしょうか?

ラグビーと似ています。ラグビーのトライと違い、ボールを地面に押しつける必要はありません。選手がボールを持ち込むか、エンドゾーン内でキャッチすればタッチダウンです。このタッチダウンを目指して、攻撃側(オフェンス)はひたすら前進して行き、守備側(ディフェンス)はひたすらそれを阻もうと、力の限り戦うのです。

  • 4回の攻撃で10ヤード進め!

攻撃権は4回。4回攻撃して10ヤード進むことができると、また攻撃権を得られます。進めないと攻守交代になりますので、野球の3アウトに似ています。アメリカンフットボールの場合「ダウン」と言います。1st down & 10 to go と言えば、『今、ファーストダウンの攻撃であと10ヤードでまた行けるよ』という意味で、野球で言えばノーアウトランナーなし、ってところでしょうか。放送などでは省略して 1st & 10 (ファーストダウンテンと呼ぶことがほとんどです)と記載する事が多いです。
アメリカンフットボールのグラウンドの、エンドゾーンからエンドゾーンまでは100ヤードあります。メートルになおすと914mです。この100ヤードを、ゴルフではありませんが、10ヤードずつ「きざんで」進んでいく、というのがよくあるやり方です。

  • ランか?パスか?

ボールの進め方ですが、ランとパスがあります。プレイが始まると、センター(ポジション名)の選手が、スナップした(地面に置いたボールを股間を通して)ボールをクォーターバック(ポジション名)に手渡します。クォーターバック(以下、QBと記す)は司令塔と呼ばれる役割です。QBは、ランニングバック(ポジション名、以下、RBと記す)にボールを手渡すか、ワイドレシーバー(ポジション名、以下、WRと記す)めがけてボールを投げたりします。RBがボールを持って走るのがランプレイ。QBがWR(他のポジションの選手の時もある)にボールを投げるのがパスプレイです。

  • どこまで進んだ?

ランプレイでもパスプレイでも、ディフェンスの選手にタックルされて、RBがひざをついたら(ニー・ダウン)その時点でボールデッド。そこでプレイが止まり、その瞬間のボールの位置(ヤード数)から次のプレイが始まります。
パスプレイの場合、ボールをキャッチした選手が(主にWR)がサイドラインから出た場合(ディフェンスに押し出された場合も含む)、ボールデッド。出た瞬間のボールの位置(ヤード数)から次のプレイが始まります。

  • 4th down だけど進めそうにないよ…どうする?

3rd down までに10ヤード進めれば問題はないのですが、4th down で残りがある時はどうするか?次の選択肢があります。

    • 一か八か、4th down の攻撃をする。

通称フォース・ダウン・ギャンブルといいます。4th & 1 とか 2 とか、または残り時間が少なくて、これが通らないと負けが決まる、という場合にはよくギャンブルをします。

    • 攻撃権を放棄するが、相手の攻撃開始場所を押し戻すために、パントする。

これは、パントキックといい、センターがスナップしたボールを受け取ったパンター(ポジション名)が、手でボールを落としながら蹴ります。相手側の選手は、ボールをキャッチしたら、自分の攻撃開始場所を少しでも前に進めようとします。攻撃と同じく、ニーダウンするかサイドラインを割るまで、戻すことができます。

センターがスナップしたボールを、ホルダーが地面に立て、キッカー(ポジション名)が蹴ります。蹴ったボールがゴールの間を通れば、フィールド・ゴールで3点獲得です。



いかがでしょうか?大の男が何を目指してフィールド上でぶつかり合っているのか、少しでもおわかりいただけたでしょうか?(いや、テレビを見ながらじゃないとわからないかもしれませんけど…。)


そうそう、とても大事なこと、ものすごく基本的なことを後回しにしていましたね。

  • プレイするのは、各チーム11人ずつです。
  • 普通、オフェンスチームとディフェンスチームは完全に違うメンバーになります。さらに、スペシャルチーム(キックする時とされる時のチーム)もまた違うメンバーの事が多いです。スペシャルチームには若手が使われる事が多いですね。
  • アメリカンフットボールは、サッカーのように時間制のスポーツです。15分×4回、それぞれの時間帯をクォーターと言います。1st クォーター、2nd クォーター、と言うふうに呼びます。終了間際、残り時間をめぐる駆け引きもこのスポーツの醍醐味の一つです。
  • 得点できる場合は、次のとおりです。
    • タッチダウンで6点。
    • タッチダウンできると、直後に一度だけゴール前からプレイできます。ポイント・アフター・タッチダウン、またはエクストラ・ポイントとも呼ばれ、フィールド・ゴールを決めると1点が加算されます。また、タッチダウンを決めると2点が加算されますが、この2点をねらうことをツー・ポイント・コンバージョンと言います。
    • セーフティで2点。オフェンスが、自陣エンドゾーン内でニーダウン等させられると、ディフェンス側に2点が与えられます。これをセーフティと言います。セーフティを食らうとまさに泣きっ面にハチ、点を与えた上に攻撃権まで与えてしまいます。
  • ターン・オーバー!攻守が一瞬のうちに変わることがあります。

パスされたボールが空中にある間はどちらのものでもありません。もしこれをディフェンスの選手がキャッチすると、インターセプト。その瞬間、攻守逆転します。キャッチしたディフェンスの選手は、相手陣目指して前進し始めることになり、ついさっきまでオフェンス側だった選手はそれを阻止するためにディフェンスする事になります。
ランプレイで、またはパスキャッチした選手が走っている時、ニーダウンするかサイドラインを割る前にボールをこぼしてしまった場合、先に拾った側が攻撃権を得ます。これは、ファンブル・リカバーと言います。
このターン・オーバー、個人的にアメリカンフットボールの一番美味しいところ、最もスリリングな瞬間だと思います。ひいきのチームがインターセプト・リターン・タッチダウンなんてしたら、狂喜乱舞です。(されたら凹むことこの上なし…)



調子に乗ってここまで書いてきましたが、まだまだ反則など書き足りない事が多すぎます。まぁ、「超入門その1」なので、今日はこのへんにしておきます。一人でも、興味を持ってくれる人がいたらうれしいけど…。
それと、こんな駄文、マニアの方、ルールをすでにご存じの方にとっては「笑止千万」ものかもしれません。もしも、何か間違った、あるいは誤解を招きそうな表現などありましたら、どうぞ優しく教えてくださいまし。「私が気落ちしない程度」でお願いしますww