朝ドラ「あんぱん」、先日最終回を迎えました。たいへん面白く、時に涙しながら、毎朝楽しませてもらいました。
一つ、これは自分への覚え書きとして記録しておきたいことがあります。ドラマへのメインの感想では全然ありません。ただちょっと気になるところ(シーン・台詞)があって…この件、脚本家として「書いて起きたい事」かな?…メインじゃなくても「ひそかに忍ばせておきたい事」だったのかも?…という思いがあります。
主人公・のぶ(演・今田美桜)は、戦時中はいわゆる軍国少女で、そのまま教師となり、子供たちを軍国主義に教育していきます。が、敗戦で周囲ごと考えがガラッと変わり、そのことから「変わらない正義」とは何か?と考えるようになり(視聴者も考えさせられ)、この番組、そしてのちに生まれる「アンパンマン」の大きなテーマとなります。
問題のシーンは、戦後、のぶが就職のため、新聞社の面接を受けるのですが、そこで会社の偉い人から『あなた、戦時中は軍国主義を広めていましたよね?』と問い詰められる場面です。そう、まさに動かぬ証拠、それは新聞に掲載された、お手本となるような軍国少女のぶ自身の記事。
ここで『あれっ?』と思いました。それって、祭り上げたのは他ならぬそちらの新聞社さんですよね?新聞社さんこそ、こぞって軍国主義を盛り上げていた張本人じゃありませんか?他人の変節をどうこう言いますけど、一番反省しなきゃいけないのはそちら(新聞社などマスコミ)の方なんじゃないの?…って思ったわけです。
もしかして「先に手のひらを返した方が勝ち」ってことなんですかね?この辺り、脚本家さんはどういうニュアンスで出したかったのかなぁ?
このドラマそのものも大きな放送局で作っているわけですから、当事者として皮肉交じりに反省をこめているのか、後の世代から見た教訓めいたものを出そうとしたのか、あるいは、こんな風に深読みする人のためのスパイスなのか…?
実際、ここのシーン、のぶ自身のこと以外、さほど話題にはのぼりませんでした。ただ最終話近くになって、軍国主義教育時代の女子校の先生(演・瀧内公美)が、お歳を召して、母校の理事長?になっている設定で出てきまして、先生ご自身も変節との戦いがあったんだろうな…と思わせるシーンでした。この先生をまた出したってことは…そこも考えて欲しい、って事だったのかな?と思った次第です。
変節、自分もあります。二十歳そこそこの頃、自分自身の交通機関は自転車がメインで、排気ガス出しまくる自動車なんか乗るもんか、自分は自転車で自分の道を行くんだ、と思っていた時期がありました。
自転車で通行中、後ろから来た居眠り運転の車にはねられ、100日ほど入院した事も大きかったです。本人は憶えていませんが、はじめは危篤状態だったそうです。けっこう痛い目にも合ってるのですよ…。
考えが変わったのは、母親が腰を痛めた時のこと。一応、頼りにされて、付き添って、タクシーで病院に連れて行ったのです。この時「うわー、自転車って、誰かを助けて連れて行く…なんて力はないんだな…」と実感しました。これが契機となって免許を取るに至りました。
でも、乗ってみたら、楽しくて面白くて便利で、今や自動車なしでは生活できないようになってしまいました。(田舎暮らしを選択できるようになったのも自動車のおかげですね。)まさに文明の利器。
純粋な少年だった頃は、こういう文明の利器が地球環境を害していくことには強い罪の意識を抱いたものですが、あるところであきらめたというか、覚悟を決めたというか、「残念ながら自分は人間なので、人間らしく自己中心的に、地球を食いつぶしながら生きていこう」と思った次第です。(大人になるって、こういうあきらめを知る、受け入れていくことなのかな?)
※ 変節 とは、従来の自分の主義・主張を変えること。時流や周囲の状況に影響されて変えることで、ニュアンスとして「迎合」や「裏切り」の意味まで含んでます。(これ、あくまで個人の感想です)