やめてくれ! コロナウィルスに星座の名前?

コロナウィルスの新型の名称に、ギリシャ文字(24個)を使い果たしたら次は星座名…というニュースを読みました。WHO(世界保健機関)のエラい人が言ったらしいですけど、一天文ファンとしては反射的に『やめてくれ!』と思いました。

リンクはこちら→(英文) WHO Covidのチーフは、ギリシャ文字がなくなると、星座にちなんで変異体に名前を付けることができると述べています。

直感的に「やめてくれ!」と思ったのですが、以下、なぜそう思ったのかな、という自問自答です。冗談交じりになりますけど、やめて欲しいというのは本気です。

  • ネガティブなイメージのもの(ウィルス)に、元々の意味のある名称を使用する事についての違和感。「インド株」などの呼び方は差別の原因になるのでやめよう…という事になったはずですから。(でもアジアでは、台風の名前に星座の名前を付けている実績がありますね…。)
  • ラテン語名に「コロナ」が入る星座が2つもあります。かんむり座(Corona Borealis)、みなみのかんむり座(Corona Australis)。元々、コロナは「冠」の意味。「馬から落ちて落馬」のように、言葉の意味が重なってしまいます。(ちなみにトヨタの車の名前、クラウン、コロナ、カムリ、カリーナ、みな「冠」から来ています。)
  • 日本語名で1文字の星座があり、呼びづらいです。それは、や座、ほ座、ろ座。漢字で書くと、矢座、帆座、炉座。なんと3つもあります!
  • 南十字座は、クリスチャンの人は嫌うのではないでしょうか?
  • 立場が対局にいる星座もあります。それは、へびつかい座。この星座のモデルとなったアスクレピオスは、医者の神様です。「へびつかい株が猛威を振るって怒りの鬼神たるウィルスとなって…という最悪の状態では、もはや太刀打ちできないレベルかも?
  • 例えば「さそり株で○○国が壊滅」というニュースで、さそり座生まれの人がいじめられる事が予想されます。これ冗談のように思われますが、日本という国ではこの手の迷信が非常に根深く、深刻な問題になる可能性があります。
  • きりん株などは、(株)キリンのイメージダウン?…このように企業名の場合もあります。「株」という単語と「株式会社」の略号がたまたま同じですから、容易に連想されますね。文字通り、会社の株が下がりますね。

…というわけで、この手の命名はよろしくないと思います。以下、絶対やっちゃダメな悪い例え話をします。憶えやすいからって「ノーベル賞受賞者の名前を順に付けていったら?」…これなら「ダメ」と思う人も多いと思いますよ。
もっとシンプルに、ギリシャ文字に数字をつけたり、ギリシャ文字複数組み合わせれば良いのではないかなぁ…。毎年ざくざく見つかるようなら、彗星みたいに「年号-記号(発見月)-数字」でどうでしょう?