北の国の飛翔体

一応、「天文」カテゴリです。当方、軍事ヲタでもありませんし、政治の話もしません。


昨日、北の国から弾道弾みたいなブツ(ミサイル?)が飛んできて、アラームが鳴りまくったという事は皆さんご存じのとおりです。物騒な時代になったなぁ…という感じです。


こちら、いろんなニュースサイトを見ていていくつか拾ったうちの一つをお借りして、時刻表示を記入したものです。以下、このブツの速度についての雑多な考察です。

15分の間に地上の距離にして2700kmも飛んでいますね。平均速度はなんと、10,800km/hにもなります。これは初速ゼロからの値で、加速しきった(襟裳岬上空を通過)後は、6分間で1,180kmを飛んでいますから、速度は11,800km/hです。暗算レベルの簡単な計算ですね。えーと、間違ってないですよね?キロメートルで時速です。ちなみに秒速になおすと、3.28km/secですね。1秒間に3km進むという、とてつもなく速い物体なのです。


参考までに、いろんな乗り物(etc.)の速度を見てみましょう。比較しやすいように,km/h(時速何km)に統一します。(間違ってないかなぁ?流星群などは普通は秒速kmで記載されているんですよね…。)

乗り物 時速 備考
新幹線     300km/h 営業速度
旅客機 800〜900km/h 巡航速度
マッハ1 約1,200km/h 音速
ミグ25  3,400km/h 最速の戦闘機
ミサイル 11,800km/h 今回のもの
ISS   27,600km/h 国際宇宙ステーション
衛星軌道速度 28,400km/h 衛星になる
地球脱出速度 40,300km/h 地球を脱出
流星群1(遅い) 72,000km/h ジャコビニ群
流星群2(速い) 250,000km/h しし群


さらに高度にも注目。最高点で地上高550kmと聞いて、ありゃりゃ、人工衛星が回っている軌道よりも高いなぁ、とすぐにわかる人は天文マニアかも。ISSは地上から400km上空を周回しています。ということは、今回のブツ、ISSより4割ほど高いところを、約半分のスピードで通過した…ってわけです。全くのシロウト考えですけど、これって迎撃とかできるもんなのかなぁ?(落ちてくるところを迎撃するらしいですけど…)


もう一つ参考。領空って、どこらあたりの高さまで言うのかというと、国際条約での定義づけはされていないものの、普通の軍事力で排除が可能な100kmあたりまで…という事のようです。また、100kmを境に、その外は「宇宙空間」という定義のようです。逆に言えば、100kmより上を通過されても「領空侵犯」うんぬんの文句は言えない…って事です。実際、いくつもの人工衛星が私たちの上空を既に飛んでいますし…。
それでは、高さの一覧です。

物・現象 高さ 備考
飛行機     10km  
流星    100km  
オーロラ 100〜500km  
ISS  400km  
ミサイル   550km 今回の
HST    600km  
静止衛星 35,786km  
380,000km  


オマケですが、「民間宇宙旅行」は、高度約100キロの宇宙空間を4分間通過できる、という事だそうです。高い…よねぇ…って、お値段の話です(笑)。