日食、今年は行きません

来週、アメリカで皆既日食が見られます。

真ん中の細い実線の中では皆既日食が見られ、その外側の曲線の中では部分日食となります。
※ 図は「emap 1.21」にて描画。


こんな感じで、皆既帯は「アメリカ合衆国横断」です。

楕円形の「月の影」が動いて行く軌跡が、「皆既帯」です。この中にいないと皆既は見られないのです。


過去何度か見ていますけど、皆既日食は、一生に一度は見ておきたい、ものすごい現象です。部分日食は似て非なるもの、全くの別物です。5年前には日本でも金環日食が見られましたが、皆既経験者としては、あれは「特殊な部分食」です。すごく面白い現象には違いないのですけど、皆既食には敵いません。
そんなわけで、皆既帯が行きやすい陸上を通過し*1、しかもそれが比較的安全に滞在できる場所で*2、さらに休暇が取りやすい夏休みである*3…こんな条件の良い*4皆既日食はそうありません。ぜひ行きたかったんですけど…残念、一身上の都合により多忙で、行けません。まぁ最近の体力を考えると、海外旅行はけっこう無理があるみたいなんですけどね…。
天文仲間ではけっこう行く人もいますので、仲間のために晴天を祈願することにしましょう。


【追記】
天文関係の友人(後輩)に聞かれました。

  • Q.皆既日食に行くんだけど、双眼鏡とフィールドスコープ、どっちがいい?フィールドスコープの方が倍率は高いけど…?
  • A.なんといっても双眼鏡。コロナってかなり広がっているので、低倍率広視野が絶対有利。手持ちで好きな方向にすぐ向けられる双眼鏡がベター。できれば7度以上の実視野があるものにしたいところです。あと、両目でコロナを見た方が気持ち良いですよ!(効き目じゃない方の目にも見せてあげて!)ちなみにフィールドスコープだと三脚が必須になり、少しでも荷物を減らしたい海外遠征では邪魔になりそうです。

*1:皆既帯のほとんどが洋上や極地…なんていう日食も珍しくありません。

*2:自然環境の面、政治的な面と両方です。

*3:リタイヤしたら関係ないけどね…(笑)

*4:他にも天文学的条件はありますが…皆既継続時間とか、皆既の時の太陽高度とか…。