コード譜の掲載に関する本ブログの方針について


昨日、JASRACより、本ブログにて「歌詞の無断転載が行われており、著作権侵害に相当する」とのご指摘をいただき、本日、指定箇所を削除いたしました。
私としましては、コード譜の掲載を開始するに当たり、ある程度の調査を行い、「セーフの範囲」を模索し、これならば良いのではないか、との結論に達し、掲載した次第です。ただそれは私個人の判断において「これならお目こぼし範囲だろう」レベルのもので、指摘された暁にはすぐに対処するつもりではおりました。
著作権法につきまして、昨日の更新のコメントとして、リキマニさんが詳しく書いてくれていますので、使用させていただきます。リキマニさんには感謝に堪えません。

著作権法32条1項では、「引用」であれば著作物を利用することが許諾されると定められています。
じゃあ引用と認められるのはどういう場合か、と思って判例等を読んでみましたが、

1.他人の著作物を引用する必然性があること
2.自分の著作物と引用部分が明確に区別できること
3.自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の文章がメインであること)
4.出所の明示がなされていること

という要件を満たすことで、引用と認められるということになるようですね。


私個人の見解として、コード譜を掲載することは「自分の研究成果の発表」のつもりでおります。その主体となる部分はコードとして記載された部分ですが、これを曲中のどの部分に対応するのかを明確にするためには、歌詞の引用が不可欠となります。もちろん歌詞の全部を掲載してしまう事は著作権の侵害に当たることは理解しており、その妥協点として「行頭の単語のみ引用する」という苦肉の策を考え出したわけです。(もちろんこれは私個人の判断でしかありません。)
「お目こぼしいただく」代わりに、自分に課していたことがあります。それは、上記4番の「出所の明示」。つまり、原著作者の明示です。作詞・作曲者を必ず記載することです。
さらに、本ブログが「引用」で作成されている事の明示。「これは引用です」という表示ですが、各コード譜の「※ 著作権を考慮して、引用は最低限にしてあります。」という部分がこれです。
さらに、引用部分の主従関係ですが、これについては「コードが主、歌詞は従」のつもりで長いこと書いております。
ところが、最近調べていて「あれっ?」と気がついたことがありました。それは、「コードの著作権」に関することです。諸説あるようなのですが、コードの羅列だともちろん著作権の範囲外になりますが、「コードを演奏する事によって元曲がわかるような場合は著作物と見なされる」旨の記事を目にしました。元曲の再生が可能である、と。つまり五線譜の掲載に近い意味合いがあるようです。…ということは、その曲に特徴的なコード進行イコール著作物という事になるわけでして、いや、実はそれこそがコード譜として掲載したい部分そのものなんですけど…(ジレンマ)。
つまり「研究成果=コードの部分」が主、歌詞は従、のつもりではあるのですが、実は主の部分も原著作権がある領域らしい…という、コード譜掲載者としてはほぼ絶望的な結論に達している現在であります。


当面、ご指摘いただいた場合は、可及的速やかに削除することとします。場合によってはコード譜の掲載部分を、JASRACと利用許諾契約を締結しているブログ(アメーバ、ライブドアなど)に丸ごと移動することも考えております。
こちら→利用許諾契約を締結しているUGCサービスリストの公表について





【おまけ…的な追記】
歌詞の中にも、一般的によく使われる語句の列って、ありますよね。決してその曲独自ではなく、よく使われる言い回しなど。例えば「いま何時?」という言葉を単にそのまま書いた場合なら、著作権は関係ないのですが、『サザンの曲に「いま何時?」という歌詞がありますが…』という文章を書くと、これは引用ということになるようです。さらにこの後にこの歌詞に関する考察が続けば、歌詞の部分は「従」ということで引用できる範囲と思われます。でも、たぶんこんな引用はNGでしょうね…

この風景を見て、私の脳裏に○○(歌手)の「××(曲名)」が浮かんだ。
  [このあと、歌詞が3〜4行続く]

この引用だと、歌詞の部分が「主」になっています。なのでNGでしょうね。
この辺りの主従関係については、かつてのニフティサーブ中島みゆき会議室で学びました。この会議室では、曲の解釈についてかなり詳しい考察が繰り広げられたのですが、引用部分と考察部分の比率について話題になった事があったのです。


いやぁ、ブログ、やっぱり、「酒を飲んだ話」程度にしとけば良かったのかなぁ。これなら「飲用」ですから。ちゃん、ちゃん。