イリジウムフレアと 曇ったカペラ

昨日の更新で写した画像を見ていると…人工衛星イリジウム」が写っていました。
イリジウム衛星は衛星電話の中継用に複数個打ち上げられています。当初の計画は77個で、そのため原子番号にちなんで「イリジウム」と名付けられました。実際は66個が軌道を回っています。この衛星、鏡のような太陽電池パネルを持ち、これが太陽光を反射してごく短い間、非常に明るく見える事があり、「イリジウムフレア」と呼ばれています。
このイリジウムフレアが2回、捕らえられています。…といってもフラッシュの中心線ドンピシャではないので、それほど明るくはなっていません。…といいつつ、-2等級と木星並みの明るさになっています。


この流星のようにも見える斜め線、これがイリジウムです。


以下、人工衛星の予報サイト「Heavens-Above」による予報データです。「距離」と「明るさ」は、フレア・センター(フレアの中心点)までの距離とフレア・センターでの明るさです。また、下の星図も同サイトによる予報図を切り出したものです。

月日 時刻 明るさ 高度 方位角 衛星 距離 明るさ 太陽高度
12/22 18:09:52 -2.6 49° 39°(北東) Iridium 52 19 km (西) -8.2 -20°
12/22 18:10:55 1.0 51° 37°(北東) Iridium 90 55 km (西) -8.4 -20°


18h10mのコマ


こっちのが明るいはずなんですけど…でも、30秒露出・30秒中断のくり返しですから、最大光度を過ぎてから露出開始した…ということかな。



18h11mのコマ


こちらは明るくなる前から露出が始まり、ちょうど明るくなった時を捕らえたようです。




あとは…カペラが半周するのを撮った…つもりですが、02h13mに雲で見えなくなっています。真ん中の明るい星(太い線)が、カペラです。雲も写っています。

左上から右下に向かって、数本の赤い線が写っていますが、これ、飛行機の光跡です。点滅する部分が、点々と写っています。


曇った時間帯の10分間のコマを合成してみました。カペラ、真ん中、切れています。でも、雲が通らなかった左上の2等星は切れていません…。


さらに拡大。よーく見ると、雲でだいぶ減光されてはいるものの、一応、かすかに、写っていました。

30秒露出・30秒中断のくり返しですから、こんなふうに強拡大すると、点々になって写っているのです。


こんなふうに、撮ったものを後からいろいろ検証するのも、楽しいものです。