「YOUR STAGE 2012」出演!

一昨日書いたとおり、「YOUR STAGE 2012」に出演してきました。


サントリーホールの正面。楽屋口は、半円形のモニュメントの左側に地下駐車場に向かう階段があり、その駐車場の奧に入り口があります。

ここでうろうろしていると、同じ教室から出演するOさんに出会い、一緒に楽屋入りしました。『楽屋から入るなんて、芸能人みたいですねーw』とか話しながら…。


これは「本日の公演」の案内。書いてある時間帯はモーニング公演のもの。私たちが出演するのはアフタヌーン公演です。


さて…以下、画像がありません。というのは、『館内撮影禁止』なのです。楽屋くらいコッソリ撮っておけば良かったけど、なにしろ初めてなので緊張して、すっかり忘れていました。もったいない…。


アフタヌーン公演は、13:40開場、14:00開演です。17:00までの、休憩時間も含めて3時間の間に、33人の出演者が代わる代わる演奏します。一人あたりの持ち時間は4分。びっしりと予定の書かれたタイムシートをもらいましたが、当初、これを時間どおりに進行するのはかなり慣れが必要だなぁ、と感じました。実際どうだったかというと、これはもう、お見事と言うほかありません。ほぼ完璧に、予定どおり進みました。当日の進行や案内などのスタッフは、どうやら島村楽器各店のインストラクターの皆さんのようです。おそらく、朝公演に「引率」で来ている人が、昼公演ではスタッフとして働いているのでしょう。日頃、音楽教室で講師をしているだけに、人当たりも良く、機転もきく方ばかりで構成されているわけで、たいへんよくできたシステムです。


楽屋は男女別で、男部屋は10人ほどです。最初は話すこともなく、いるだけで緊張していたのですが、同じ店から来ている人同士の話に聞き耳をたてたりしているうちに、何となく話に加わってみたり、楽器を出したら話しかけられたり、だんだんなじんできます。もし、一人の楽屋だったら緊張しっぱなしなんでしょうけど、出演者という同じ立場の人と話ができて緊張をほぐす事ができ、たいへん有意義でした。
楽屋にはモニターがあり、ステージの様子をリハーサルからずっと流しています。これなら他の人の演奏も、そこそこ聴けるというものです。本番が始まると、立ち位置などのチェックもでき、たいへんありがたかったです。
私の出番は遅い方でした。33人中26番、男性楽屋では後から2番目。同じ土浦店から参加の他の二人の皆さんは先に演奏を終わります。…ということは、緊張して待っている時間が長いんですよねぇ…。はぁ…。


本番20分ほど前に、ステージ裏のすぐ横にある、リハーサル用の楽屋でリハーサル。楽屋では「音出し禁止」ですから、ここでようやく今日初めての音出しができます。私は先生にピアノ伴奏してもらいますので、最終確認をいろいろとします。通しで2回、練習できました。でもどちらかというと、『どのくらい緊張し始めたかの確認』だったような気がします(笑)。
楽屋からステージ裏までは、2フロア分の階段を上るのです。それまでは大して緊張を感じていなかったのですが、階段を上り終わって急に緊張して来ました。これ、『つり橋効果』の逆で、階段上りで心臓がドキドキしたのを、脳が緊張によるドキドキと同一視するみたいです。つまり、ドキドキを『あ、自分、今、緊張しているぞ』と判断しちゃった、そんな感じです。うーん、上り階段じゃなかったら、あんなに急な緊張はしなかったような気がします…っていうのは、負け惜しみなんでしょうけどね…。
リハーサルが終わると、出番待ち用の椅子に座って待ちます。まず裏通路、まだステージとは扉で隔てられています。ここで、ステージ上の動きについての指示と、譜面台の高さの調節。基本的に譜面を見て吹きますので、高すぎても低すぎても楽器への息の当たり方が変わってしまい、フルートでは致命傷になりかねません。でも、『ネクタイ見えた方が良いですよね』と言われ、思ったよりも低く調整してしまいました。
出番は次の次、という段階になって、扉の向こうへ。ここで司会者の方と打ち合わせして、あらかじめ書いたコメントに追加があるかどうか、等の話をします。これ、直前の緊張を和らげる効果があって良いですね。人と話をするっていうのは緊張をほぐすのにとても良いようです。ちなみにあらかじめ書いたコメントはこれ…。司会者の方が代読する、というのを聴いて、『じゃあ読みにくいように(笑)、なぞかけでも入れてみよう』と思いついたものです。

整いました!初心者のフルートとかけて、ガラスの汚れとときます。そのこころは『ふいてみないとわかりません』。…ちょっと寒くなった会場を「おひさま」のように暖める、そんな演奏ができたら、と思います。

自分が初心者である事、ちょっと卑下して汚れにたとえる事、曲名を盛り込む事まで、計算されつくしたコメントです(笑)。まぁ、30分で考えたにしては、うまい事できたかな。


追加コメントですが、実はネタとして、こんなネクタイをして行きました。

名画「笛を吹く少年」の柄です。フルート吹きなので、ね。…で、『こんなネクタイしています』的なコメントを追加してもらいました。でも勉強不足で、何ていう画家の作品だったか知らず、またその場にいたスタッフの方も司会者の方もご存じなく、雰囲気でピカソかな、みたいな流れになっちゃいました。うーん、たしかピカソではなかったような気が…と思いましたが、緊張もあって言い出せず…。あとで調べたら、マネでしたね…。あはははは、まぁいいや。まぁねw。
もう一つは『同じ土浦店から応援の皆さんが来ています』とのコメントも。で、手を振ってもらって、応援部隊の位置を確認しておこうという魂胆です。知っている人がいるといないとでは、緊張の度合いも全く違いますから…。


前の演奏者の方の終わりが近づき、いよいよ私の出番です。譜面台を持ったスタッフの方、司会者の方に続いてステージへ。司会の脇で一礼して、コメントを読んでもらいながら、ステージ中央の譜面台の前に移動。コメントのなぞかけには、拍手までいただいちゃいました。よしっ、成功。これで演奏トチってもいいや…。と、ちょっと気が楽になりました。
とはいえ、やはり緊張の極致。変な緊張の仕方で、頭は醒めているのに、呼吸が浅く、指先が緊張で震えています。先生と練った作戦どおり、演奏開始は伴奏なしで、音出しからそのまま始めます。5小節めからピアノ伴奏に乗せ、最初は押さえ気味に、ビブラートもかけず、慣れてきてからビブラートを使う…という予定どおりにできました。途中、やや呼吸が浅くなり、伸ばせない音があったりしました。中音部の音がうわずったりもしました。が、一番の課題である高いファ#はちゃんと伸ばす事ができました。中盤以降は、緊張も含めて楽しんでしまう、そんなふうに吹くことができました。また時折、目線を譜面から会場に移し、応援に来てくれた同じ教室のメンバーと土浦店のスタッフの顔を見ていました。ありがたや…ありがたや…。
先生から、サントリーホールの音の響きの良さについて聞いていました。うん、確かに、マイクなしでもフルートの音がかなり響きます。自分の出している音が、ホールの空間に向けて旅立っていく、そんな感覚を楽しむことができました。一応、そんな事を考える余裕はあったのです。
でも最後、うっかりしました。最後のお辞儀を、譜面台から一歩右に出てするように指示されていたのですが、これを失念。譜面台にごっつんこする方向でお辞儀してしまいました。やれやれ…。


出演者全員の演奏が終わり、エンディングではデモ演奏を流しながら、全員がステージ上に並んで最後のあいさつです。と言ってもお辞儀をして手を振るだけですけど。また会場の応援の皆さんの方を見ていました。いやぁ、ホント心強いです。この場を借りて謝意を表す、シャイボーイですw。ありがとうございます。


…とまぁ、こんな感じで、無事に『ソロデビュー』を果たすことができました。ホントに緊張しましたけど、全体的にはとっても楽しかったです。目標を設定して、少しずつ成し遂げていく事の楽しさ、って言うのかなぁ。半年かけてコツコツと、先生と作ってきましたからねぇ。
全部終了してステージ裏で、出場した3人と先生とでちょっとお話した時、先生が感極まって落涙されたのもわかる気がします。『皆さんの成長が嬉しいし、誇りに思います』みたいな事を言われ、いや、そうさせてくれた先生にこそ感謝ですよ、と、こちらもやや目頭が熱くなりました。この先生との出会いがなければ、フルートを吹いていないし、もちろんユアステージにも出ていないし、こういう新しい世界に出会う事もなかったわけで、ただただ出会いに感謝したいと思います。


…で、最後に。来年もできればまた出たい、そう思っています!