6月4日の部分月食

来週、6月4日(月)の夕方、部分月食が見られます。日本では、本影食のほとんどの様子が見られます。


5月21日に太陽と重なった新月が、2週間後に満月となり、今度は月食になります。実は、日食の直前や直後の満月は月食になりやすいのです。太陽の通り道(黄道)と月の通り道(白道)の交点付近で太陽と月が会合すると、日食になるのですが、もう一つの交点がその真反対、つまり新月に対して満月の位置にあるため、月食になりやすいのです。「なりやすい」と書きましたが、交点は少しずつずれていくので、必ずしも月食になるとは限らないのです。


月食は、月が地球の影に入り、太陽光がさえぎられて暗くなる現象です*1。地球のどこで見ても、欠け始めなどの時間は同じですが、その現象の時刻に月が出ていないと(地平線よりも上に見えないと)見えない事になります*2
月が出る時刻や、同じ時刻における高度なども日本各地で異なりますが、ここでは札幌・東京・福岡における、月の高度(単位は角度の度。小数点1位まで表記。)を掲げます。

現象 時刻 高度(札幌) 高度(東京) 高度(福岡) 備考
半影食開始 17時46分 地平線下 地平線下 地平線下 *3 
本影食開始 18時59分    0.0    2.2 地平線下 欠け始め
部分食最大 20時03分    8.4   12.3    7.3  
本影食終了 21時07分   15.9   21.0   17.3 欠け終わり
半影食終了 22時20分   21.8   28.3   26.6  

※ 「天文手帳2012」より抜粋


次は、各地の19時30分の月の様子です。方位・高度目盛は10度刻み。月は実際よりも大きく描いてあります。月は既に部分月食中で、欠けて変な形になっています。

  • 札幌 2012年6月4日19時30分

  • 東京 2012年6月4日19時30分

  • 福岡 2012年6月4日19時30分


月を拡大した予報図です。18時50分から10分ごとの図。天頂方向を上に(=地平線方向を下に)してあります。1枚目では下部に地平線が描かれています。















  ※ 図の作成には「Stella Navigator ver.5」(アストロアーツ)を使用しました。


よく月食の時はこんな感じで更新していますが、ほとんど前回のをコピーして使っています。テンプレートと言えば聞こえは良い…のかな?ワンパターンと言えばワンパターンです、はい(笑)。でもほら、天文現象も、繰り返すものですから…(笑)。

*1:と言うと、『なぜ満月の度に皆既月食にならないの?』と不思議ですよね。それは月の軌道が微妙に傾いていて、いつもは地球の影がある空域の北や南を通過して行くからなのです。

*2:これを月中心に考えると、月面から見て、見える方の側にある場所(海とか陸とか国とか)から見ると、月食が見えることになります。

*3:半影食というのは、太陽が面積体の光源であるが故の現象で、太陽の光の一部がさえぎられている状態です。この時に月から太陽を見ると、地球による部分日食が見られることになります。