原子力関連の本


最近、電車の中で読むために買った2冊の本を、相次いで読み終えました。この2冊です。


左側はサイエンス・アイ新書「知っておきたい放射能の基礎知識」。

教養として、原子炉の構造や、α線β線γ線の違いなど、いろいろ知ることができます。いわゆる新書ですが、本書の一番の特徴は、見開き2ページでひとつの章になっている事で、短い時間でも読み進めることができます。これなら、電車の中など、読むのをいつ中断されても大丈夫、というわけです。
福島原発の事故以来、いろんなニュース用語などでわからないものも多く、『少し勉強しなくちゃ』と思い続けていました。でもなかなか機会がなく(時間がないわけではなかったのですが…)、ようやく良い本を見つけました。そう、東京に行く往復の電車の中で読むのに向いている本に出会った、というわけです。


右側は新潮文庫「朽ちていった命」。

こちらは1999年9月の東海村臨界事故の際、至近距離で被ばくし、亡くなった方のドキュメント。NHKの特番になったものを書籍に編集したものです。放映当時も非常に強い印象を残しましたし、県内で起こった事件ですから元々関心も高かったのです。
ただ一言、この本を読むと、間違いなく気持ちが重くなります。沈みます。人二人の命が無くなっていく様ですから当然ですが、それ以上に、人類はとんでもない危険物に手を出してしまったんだなぁ…という暗澹たる気持ちになります。
原子力を利用するに当たっては、メリット・デメリット、おもに経済的な利害、さまざまな事を考慮しなくてはならないわけですが、どういう主張をするにせよ、最低限この本を読み、広島や長崎の原爆資料館を見てからの話…と思っています。もちろん、今となってはさらに福島の現状をも知る必要があるわけです。


原発反対』と唱えるだけなら簡単だし、世論も追い風になっています。が、代替エネルギーが見つからないままに向かうのは、経済的な打撃が大きすぎるかもしれません。それでも、この本を読み終えての自分の正直な気持ち、それは、原発を推進する方向には決して向かない、ということです。