第46回スーパーボウル

今日は「スーパーボウル休暇」です。『休暇とってまで…』と思われるかもしれませんが、もう自分の中では当たり前のこと。ただ人には理解されないと思われますので、職場では『ちょっと用事が…』以上の事は言いません。『果たして今年は無事に休暇が取れるか?』と、毎年ドキドキしていますが、今年も無事に休暇がとれまして、ゆっくりとスーパーボウル生中継を楽しむことができました。


今年の対戦は、ニューイングランド・ペイトリオッツ vs ニューヨーク・ジャイアンツ。都市名で言うと、ボストン vs ニューヨークで、大リーグだとレッドソックス vs ヤンキースで知られるライバル都市同士です。戦前の予想はどちらが有利だったのでしょうか?私個人としては、シーズンの勝ち星と、これまでのスーパーボウルの実績から、『ニューイングランド有利』と思っていました。でも、この対戦、4年前にもスーパーボウルでありまして、シーズン全勝で勝ち上がってきたニューイングランドの「パーフェクトシーズン」の夢を、不利といわれたニューヨークが破った前歴があるのです。果たして、ニューイングランドが4年前の借りを返すのか、ニューヨークが返り討ちにするのか?レベルの高い、熱い戦いが期待できます。
私は個人的には、やや判官贔屓的な発想もあって、ニューヨークを応援していました。このポストシーズン、「フィールドゴールの善し悪しで決まる」という、1990年ポストシーズンを思い出させるゲームが多かったせいもあります。史上初のスーパー3連勝を狙う、ジョー・モンタナ率いるサンフランシスコ・フォーティナイナーズを、NFCチャンピオンシップで破ったのがニューヨーク・ジャイアンツだったのです。あの試合も確かフィールドゴールで勝ちましたし、その後のスーパーボウル(1991年1月、湾岸戦争勃発直後のスーパーボウルです。)は、試合終了直前の『これを決めれば勝ち』というフィールドゴールを、バッファロー・ビルズがミスしてしまい、ニューヨーク・ジャイアンツが勝ったのです。そんな事を思い出しながら、ニューヨーク・ジャイアンツを応援しつつ、でも点差が開かない熱戦になる事を一番期待していました。


試合は期待どおりの熱戦になりました。ジャイアンツ守備陣がセーフティで先制するという意外な立ち上がり。その後、両軍とも点を取ったり取られたりでしたが、ペイトリオッツが調子を取り戻し、ハーフタイムを迎える頃には1点差でリードするという展開です。ペイトリオッツのトム・ブレイディ、現役では最高のQBの一人で、リズムに乗ったら手がつけられないハイパーオフェンスを展開します。一つ間違うと後半ワンサイドにもなりかねないな、と心配したのですが…。
後半のジャイアンツ守備陣、がんばってくれました。守備ががんばるうちに、ペイトリオッツのリズムが少しずつ崩れてきます。『ここで捕っていれば』という決定的なキャッチミスが、あとから数えると4〜5回あったように思います。リードしても突き放すことができなかったペイトリオッツです。
そして逆転を狙うドライブで、ジャイアンツがエンドゾーン手前まで攻め込みます。ここは時間を使って(相手に残り時間を与えないように)攻めなくてはいけないところですが、中央のランプレイで大きな穴が開いてしまい、ボールを持ったRBブラッドショーは直前で止まろうとしたのですが、そこは攻撃選手の本能か、やっぱりタッチダウンしてしまいました。
この時点で残り時間はたしか57秒だったと思います。ブレイディにとっては十分逆転できる時間。…が、しかし、レシーバー陣のキャッチミスが続いたのが痛かった…最後にエンドゾーンに投じたパス(一か八か…ヘイルメリーパスと言います。)も地面に落下。この瞬間にジャイアンツの勝利が決定しました。


MVPはジャイアンツQBイーライ・マニング。4年前に続く2回目の受賞です。イーライの兄ペイトン・マニングインディアナポリス・コルツのQB(今シーズンはケガで欠場)で、こちらも超一流QBですが、スーパーボウルでは一度しか勝利していません。弟の方が今回2勝めを上げ、当面、兄を超えました。あらゆる面で兄と比較され、プレッシャーも相当なものがあったでしょう。(最近のインタビューでは、特にプレッシャーは感じていないと話しているそうですが、そうなれるまでには大変な苦労があったと思います。)それにうち勝ってのMVP受賞、本当に価値のある素晴らしいものです。


さて、NFLシーズンもこれにて終了。また夏が終わる頃までしばらくお別れです。今シーズンもすごい試合、熱いシーンがたくさん見られ、アメリカンフットボールを堪能できました。また来シーズンも、楽しみにしたいと思います。