早朝寄席

バンド練習→飲み会→カプセル泊まり。その翌日の「定期落語更新」です。


今回は…

柳家花いち     『運命』
初音家左吉     『初天神
三升家う勝     『トンビの夫婦』
春風亭ぴっかり   『鼓の滝』

でした。


前回に続いて下手側、中ほどに座りました。前回同様、中央の前の方は満員ですが、後ろの方は空席が目立ちますので、おおよそ5割〜6割の入りと思います。中央ブロックでも後ろの方や、端なら前の方でも、2席占領して荷物が置けたりします。


花いちさんは、花緑師匠の5番弟子。4番弟子は緑君(ろっくん)さんですが、一緒にされたり比較されたり。で、『花緑の弟子の、ろっくんじゃない方』と言われているとか。いろいろ屈折したり(?)面白がったり、まぁ話のネタにしてるくらいですから、後者でしょう。新作『運命』は、運命の結婚相手を待ち望む女性(OL?)の話。
左吉さん、左吉の吉は矢沢永吉の吉だそうです。意識してるのか、リーゼントヘア(笑)。話は『初天神』。いろんな物を買ってくれとねだる子供とその父親の話。飴をほおばったり、だんごの密をなめたりと、細かい芸は見所です。
う勝さんはちょっと年齢の行った方で、ご本人も「入門が遅かった」と言っていました。「仙台四郎」という「その人が寄る店は必ず繁盛する」という人がいたそうですが、う勝さんもその才能があるご様子。以前勤めていた小さな旅行会社、今ではすっかり大きくなって…その名も「HIS」。とあるエライ人がまだ野党だった頃、サウナでサシで話したことがあり、…今や総理大臣。演目は『トンビの夫婦』。落語は元々、男言葉によるもので、特にオチではまず女の台詞は出てこないそうです。女流落語家も増えてきたこんにち、女性同士の会話で作った新作がこの演目だそうです。
さて、早朝寄席では、前座から二つ目に昇進した人が初めて演じる時には、必ずトリを取ることになっているそうです。トリの前の人は、その人と全く違う系統の人が選ばれる事が多い、つまりはトリを引き立てるわけでしょうけど…今日のトリ前はすぐに決まったそうです。そういえば今日の演者は→目立たない若者、リーゼント、おじさん、女性、と、実にバラエティ豊かだなぁ…(笑)。
女流落語家・ぴっかりさんの記念すべき早朝落語デビューです。入門してから二つ目に昇進するまでに丸5年。この間にすっかり世間離れしてしまった、と、先日の同級生との飲み会の話を聞かせてくれました。演目は『鼓の滝』。鼓の滝と呼ばれる名勝地の前で和歌を詠む話。よく通る声で、歯切れの良い落語を聞かせてくれました。これからのますますの活躍を期待します。
ぴっかりさん、最後にオマケで、南京玉すだれを演じてくれました。この品物の名称についてはいろいろな説話がありますが…ぴっかりさんの方から先に「これ「なん」で切らないでくださいね。違う物になっちゃいますからね。」と、注意がありました(笑)。玉すだれは、うまいというわけではないんですが、落語家らしく、話で補完するし、うまく元に戻らない時はすぐに予備が出てくるし(これ、ネタだったのかなぁ?)、実に楽しく見せてもらいました。


というわけで、今年初の早朝寄席を楽しんで来ました。