地球儀

職場で取り扱った商品の中に、大型の地球儀がありました。


たぶん、この商品だと思います。かなり存在感のある一品です。



地球の直径は約50cm、木製のスタンドに載っていて、高さは1.2mくらい。なかなかの存在感です。これが2日ほど部屋に置いてありまして、いろいろと話が弾みました。


「昔はヨーロッパに行くのに、アラスカ経由、北極圏周りだったよね。」
ソ連の上空、シベリアは飛べなかったからね。」
「日本から真東にずーっと行くと…メルカトル図法だとアメリカに着くと思うけど、実は、チリに着くんだよ。」
「同様に、サウジアラビアは、日本から見て北西、とも言える。」


…と、皆さん地表の話題が多いのですが、私は地球外に目が向いちゃいます。つまり、『地球がこの大きさだとすると?』という、スケールモデルに考えが行きます。


さてここで問題です。地球が50cmの球だとすると、ISS国際宇宙ステーション)は、この地表何cmのところを回っているでしょうか?

  1. 1.6cm
  2. 16cm
  3. 1.6m


正解は、1.の1.6cmです。この地球儀、スケールは1/25,000,000(二千五百万分の一)です。ISSの軌道の地表高は400kmですので、400,000,000mmを25,000,000で割ると、16mm。直径50cmの地球の、わずか1.6cm上空を回っているのです。これ、東京〜大阪間の直線距離に相当します。意外に低い気がしませんか?


このスケールで地球周辺のモデルを作ると、次のような数字になります。

対象 実際の大きさ・距離 1/25,000,000 大ざっぱなたとえ
地球の直径     12,800km   51cm 肩幅よりやや広い球
静止衛星軌道    36,000km   1.44m        
月の直径       3,500km   14cm メロン
地球−月間      38万km   15.2m 1.5教室
太陽の直径      140万km   56m 東京ドームの1/4
地球−太陽間   1億5000万km   6km 山手線の半径

この大きさの地球を教室に置いたとして、月は隣の教室に置いたメロンに相当します。太陽は、直径56mという巨大な球(20m〜30mくらいのガスタンクよりずっと大きくて…フジテレビの球体は32m、世界最大のプラネタリウムは35mで、例えるものがありません…)ですが、6km彼方にあります。東京ドームのあたりにこの球体があったとして、直径50cmの地球は山手線を回っている…そんな感じになります。
さて、太陽が56m、地球が51cmだとすると、他の惑星はどのへんでしょうか?ものすごく大ざっぱな例えですけど、木星の軌道が5.2AU*1ですから、武蔵野線に相当するでしょうか。
木星以遠の惑星は…土星9.6AUで、つくば又は平塚。天王星19.2AUは、ひたちなか・宇都宮・富士あたり。海王星30.1AUですから、いわき・長野・浜松。ハレー彗星はこのへんまで行って帰ってくるわけです。このくらいの距離にあって、惑星より大きな球体は存在しないのですから、太陽系の空間というのがいかに広いのか、ちょっとだけ理解できるような気がします。


しかし、電卓と地図でこれだけ楽しめるとは思いませんでした。マニアっていうのは、ホントしょうがないですよね(笑)。

*1:地球〜太陽間の平均距離を1AU(天文単位)といいます。1AU=1億5千万km。