来年の金環日食についての第3回です。
今回は、「金環食」の部分にスポットを当ててみました。以下の図は、東京都千代田区でのものです。日本国内でも、場所によって時刻が異なりますのでご注意ください。(計算の精度を上げるため、今回から日食専用のソフトを導入しました。)
図の×印が観測地です。赤い直線は、左上から北限界線・中心線・南限界線。赤い楕円形は、この瞬間(この図の場合は5月21日07時34分30秒(JST))に金環食が見える範囲を表しています。違う言い方をすれば、この瞬間に地球に投影されている月の本影です。太陽の光が斜めから差しています(朝07時半頃ですし)ので、楕円形になります。
例によって、画像が多いので隠します。
今回、日食計算専用のソフト「エクリプスナビゲーターver2」を導入、精度を上げています。本ソフトによって計算された、東京都千代田区での金環食継続時間は、05分04秒です。この継続時間は、中心線に近いほど長くなり、限界線上では一瞬(≒0秒)となります。以下、各地での金環食継続時間を掲げます。
注:数字は適当に丸めてありますので、1秒程度の誤差は普通にあります。また、該当する市のどこの場所かはソフトに内蔵された座標まかせです。区がある市では区名まで指定しています。
場所 | 金環の始まり | 金環の終わり | 金環継続時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
鹿児島 | 07:20:01 | 07:24:18 | 04:17 | |
宮崎 | 07:20:46 | 07:25:15 | 04:29 | |
高知 | 07:25:08 | 07:28:24 | 03:16 | |
徳島 | 07:26:34 | 07:29:52 | 03:18 | |
大阪 | 07:28:22 | 07:31:14 | 02:52 | 中央区 |
津 | 07:28:20 | 07:32:38 | 04:18 | |
名古屋 | 07:29:40 | 07:33:25 | 03:45 | 中区 |
静岡 | 07:29:43 | 07:34:45 | 05:02 | 葵区 |
甲府 | 07:31:19 | 07:35:53 | 04:34 | |
横浜 | 07:31:29 | 07:36:32 | 05:03 | 中区 |
東京 | 07:32:01 | 07:37:05 | 05:04 | 千代田区 |
さいたま | 07:32:18 | 07:37:17 | 04:59 | 浦和区 |
千葉 | 07:32:10 | 07:37:12 | 05:02 | 中央区 |
前橋 | 07:33:37 | 07:37:01 | 03:24 | |
宇都宮 | 07:34:11 | 07:38:20 | 04:09 | |
水戸 | 07:33:53 | 07:38:50 | 04:57 |
というわけで、月の影は、15分とかかからず鹿児島から東京を経て水戸へ抜けていくわけです。早いですねー。もしこの影と一緒に移動できたら、ずっと金環食を観測できるわけですが、そんなに速い乗り物はありません。
さて、明日からこの時刻にイメージトレーニング始めようかな(笑)。
こんな素敵な日食シミュレーションができるソフトは、これです!(マニア向け…ですね)
ちなみに、いつも天文シミュレーションをしているソフトの最新版は、これです。(初心者からマニアまでOK)
ちなみに私はまだver8を使っています。でも、ブログにアップする画像は、未だにver.5を使います。古いバージョンの方が、遅いマシンに対応しているせいもあって、サクサク動くんですよね。ただし計算の精度などは新しい方が良いし、新しい天体のデータを更新するサービスも、古いバージョンのはもう終了しています。
さて、金環食、実際にどう見えるかというと…良く晴れているとして、太陽の一部がはみ出て見えているわけですから、肉眼ではまぶしくて形はわかりません。ただ、まぶしいながらも太陽の光が異様に弱々しいのはわかるはずです。
次回は、望遠鏡など特殊な観測機器がなくても金環食を楽しめる方法をいくつかご紹介します。